NHK連続テレビ小説:「あまちゃん」 あぁ、終わっちゃった…「あまロス」広がる 「また見たい」DVD予約10倍
毎日新聞 2013年09月29日 東京朝刊
28日に終了したNHK連続テレビ小説「あまちゃん」が大きな盛り上がりを見せている。ツイッターで著名人がつぶやき、漫画家が描いたイラスト「あま絵」も登場。放送後に番組をインターネット配信するNHKオンデマンドにもアクセスが殺到した。メディアの専門家は「見た人と話がしたくなるドラマだった」と振り返った。【岩崎信道、有田浩子、土屋渓】
扶桑社のファンブック「おら、『あまちゃん』が大好きだ!」には、岩手県の達増(たっそ)拓也知事やアニメ監督の富野由悠季(よしゆき)さんらの寄稿が並ぶ。発売前から予約が殺到、発行部数は累計6万部。同社は「皆さん快く原稿を寄せてくれた。いかに愛されていたかが分かる」と話す。
朝あま、昼あま、夜あま、週あま−−。ツイッターにはこんな言葉が飛び交った。地上波、BSの計1日4回と土曜午前の1週間分をまとめた放送を、生活スタイルに合わせて見た人たちの声だ。東京・渋谷のNHKスタジオパークで開催中の番組企画展を見に来た京都市の主婦、石原恵子さん(52)は「朝に続けて2回見てしまう日もあった」。人出は通常の1・5倍だ。漫画家の青木俊直さんが毎日の放送をイラストにした「あま絵」をネットで公開すると、ファンの間でイラストの投稿が流行した。
番組終了後の喪失感を表す「あまちゃんロス症候群」も指摘される。単身赴任の夫と無料通信アプリLINE(ライン)で感想を言い合っていた愛知県の主婦、吉田淳子さん(40)は「毎朝の日課がなくなって寂しい」。東京都練馬区の高校3年、朝長真吾さん(18)は「学校で毎日話題になった。ポッカリ心に穴が開いた感じ」。
こうした思いは、NHKオンデマンドへのアクセス数やDVDの売れ行きに反映されている。NHKによると、8月には1日のアクセス数が1万件を超す日もあった。27日に発売されたDVDの予約は約1万6000セット(12日現在)と、過去の朝ドラの10倍近い人気ぶりだ。