News Inside

再開発の目玉、グランフロントは
大阪経済活性化の起爆剤になるか

2013年05月17日
秋山謙一郎(ジャーナリスト)
オープン当初は確かににぎわいをみせているが

 JR大阪駅北側、梅田貨物駅跡地を中心とする通称・梅田北ヤード。その先行開発区域として約7万平方㍍に及ぶ「グランフロント大阪」が4月26日オープンし、関西最大のプロジェクトが一つの節目を迎えた。

 目玉となる店舗面積4万4000平方メートルの商業施設には衣料品店、飲食店など266店舗が入居。1週間で223万人、1日当たり30万人が来場した集客力は、1日の乗降者数250万人を誇るJR大阪駅周辺という立地の良さを見せつけた形だ。

 グランフロント効果は周辺にも及んでいる。阪急梅田駅近くにある飲食店関係者は「前年と比べ客入りは大幅に増えた。売り上げも1割増くらい。グランフロント大阪に出店している店は、オープン当初で客入り多いのだろうが、価格設定が高いという声もある。なのでJR大阪駅、阪神、阪急の梅田駅周辺の従来からある店舗に人が流れてきているのではないか。このままこれが続いてくれれば嬉しいが」と期待を寄せる。

 こうした活況ぶりは「阪急百貨店」「阪神百貨店」など、JR大阪駅周辺に位置する百貨店にも及んでいるという。

 だが、ブームがいつまで続くのか、懐疑的な声が根強いのも事実だ。

阪急、阪神の両百貨店のテナント店員は客足が増えたことは認めつつも「売り上げが大幅に伸びた感じはしない」とし「他府県から来られた方がウインドーショッピングされている」との見方を崩さない。

 両百貨店に訪れた客に話を聞くと「話題のグランフロント大阪を見に来たついでに寄ってみた」(京都府から来た客)、「ニュースでオープンを知り、大阪観光がてら寄った」(兵庫県から来た客)と言い、どちらもグランフロント大阪のオープンを契機に積極的に大阪に来ようとは思わないと話す。

「電車で15分の距離に『そごう百貨店』がある。大阪まで出るには、さらに20分くらいかかる。わざわざ時間をかけてまで大阪に来なければ揃わない品があるわけでもない」(前出・兵庫県から来た客)とにべもない。

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