2013.10.2 05:02(2/2ページ)

鳥谷同点弾から7点!阪神、3番戻った途端に打線甦った

鳥谷(左)をハイタッチで迎える西岡

鳥谷(左)をハイタッチで迎える西岡【拡大】

 指揮官は胸をなで下ろした。首位巨人に3連敗し、V奪回が絶望的となった8月29日以来、27試合ぶりに3番に座った背番号1が、三回に同点の9号2ラン。中日先発・西川の真っすぐを完ぺきにとらえ、右翼ポール際へと運んだ。

 「切れるとは思わなかった。打順どうこうは関係ない。チームが勝てばいい」

 “前4番”はサラリと振り返ったが、将が「いいころ」と振り返ったオーダーは、ここから活性化。西岡のチーム27イニングぶりの適時打や、俊介のスクイズなどで効果的に得点を重ねた。

 信念か意地か-。「不適任」との声が漏れ聞こえる中で、和田監督は『4番・鳥谷』を貫いてきた。鳥谷自身は結果を残してきたが、打線は完全な機能停止に陥り、9月は6勝16敗(2分け)の大惨敗。そのうち、3得点以下が15試合という極貧ぶりだった。

 なぜ、このタイミングの変更だったのか?

 「タイミングをはかっていたわけでは、一切ない。重い雰囲気だったから原点回帰と。ミーティングでキャンプのころの話もした。声とか全力疾走とかのね」

 これが和田監督の説明だったが、瀕死の虎が、息を吹き返したのは事実。福留か新井か今成か、の選択肢に揺れる“5番問題”はまだ未解決だが、そこに至るまでの明確な答えは出たはず。和田監督は「これが続いてこないといけない。特にあしたは大事な試合になる。その意味で形らしいものが出てきた」と手応えを口にした。

 2日は2位確定をかけての広島戦(マツダ)。その先のCS、逆転日本一へ、ようやく明るい光が差してきた。 (栃山 直樹)

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