概要

染色体は放射線による生体への影響を調べる指標として古くから研究が行われてきました。中でも二動原体染色体異常頻度を用いた調査方法は、放射線との関係がよく研究されていて、ISO(国際標準化機構)やIAEA(国際原子力機関)においても採用され、国際的に標準化されている方法です。

近年「低線量放射線による被ばくが人体にどのような影響を及ぼすのか」という課題に関心が寄せられています。低線量の放射線被ばくの生体への影響を考察する上で、染色体は有効な指標となります。しかし染色体を観察するには熟練した技術と時間が必要で、たくさんの試料を調べることは現実的には難しいという現状があります。染色体の観察行程を自動化すれば、大幅な時間短縮が可能で、規模の大きい調査も実現性をおびてきます。

そこで放射線医学総合研究所では、ISOやIAEAが採用している手法に染色体の自動解析を追加し全体の調査時間の大幅な短縮を可能とする手法、「総合自動高速解析プロトコール」の研究開発を進めています。

メンバー

研究代表者
原田 良信
研究参加者
數藤 由美子 / 穐山 美穂 / 齋藤 俊行 / 米原 英典

PAGE TOP