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【平安名純代・米国特約記者】米国防総省が航空自衛隊那覇基地に駐留する部隊の一部を米軍嘉手納基地に移転する構想を検討していることが27日までに分かった。日米間の防衛力強化を念頭に、来月3日に東京で開かれる日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で在沖米軍基地の共同使用の可能性などについて協議する。2プラス2には、日本側が岸田文雄外相と小野寺五典防衛相、米側はケリー国務長官とヘーゲル国防長官が出席する。
国防総省高官らは27日、29日から始まるヘーゲル長官の日韓訪問をめぐり、同省で記者団に対するブリーフィングを開き、2プラス2の主要議題が自衛隊と米軍の役割分担を定めた日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の再改定になるとの認識を示した。
米政府筋によると、在沖米海兵隊のグアム移転計画については、沖縄やグアムにおける進行状況に関する報告や移転の開始時期の見通しなどについて確認。嘉手納への航空自衛隊那覇基地駐留部隊の一部移転の可能性も協議する。
航空自衛隊那覇基地には第83航空隊などの部隊があり、F-15J戦闘機が防空任務を担っているほか、ヘリ部隊や、海上自衛隊のP3C哨戒機などが配備されている。
米高官らは同省でのブリーフィングで、普天間移設問題について「米政権が現行計画を支持していることに変わりはない」とし「ある程度の進展を確認することができた」と環境影響評価(アセスメント)の評価書の提出や嘉手納より南の施設・土地返還計画が提出された点を挙げ、日米間で継続して連携を図ると述べた。
ヘーゲル長官は10月2日から4日まで東京に滞在。岸田外相や小野寺防衛相、安倍晋三首相と会談するほか、米海軍横須賀基地も訪問する予定。
東京で4閣僚がそろう2プラス2の開催は今回が初めてとなることから、高官は「われわれは史上初となる東京での2プラス2に参加することになる」と期待感を示した。
[ことば]
日米安全保障協議委員会(2プラス2) 日本と米国の安全保障政策をめぐる閣僚級協議の枠組みのこと。メンバーは、日本側が外相と防衛相、米国側が国務長官、国防長官の4人。日本での開催は、米軍普天間飛行場問題を話し合った1996年以来、17年ぶり。