【ご愛読有難うございました】ブログ閉鎖のお知らせ

いつも「キニナル!未来Lab.」をご覧いただき、有難うございます。
タイトルの通りではあるのですが、この度、当ブログを閉鎖することとなりました。この記事の掲載を以て更新は停止とし、過去の記事については、直近の10記事以外は削除とさせていただきます。
また、9月一杯でブログ自体が閉鎖となる予定です。

「キニナル!未来Lab.」はこの8月で開設からまる3年になりました。
この間、ネットではFacebookやTwitter、LINEといった新しいツールが次々と表れ、情報を伝えることの在り方は目まぐるしく変化してきました。
「どんな手段で」「何を」伝えればいいのか。そういったことを改めて見直す時機を迎えたと言っていいのではないかと思います。

「難しい」「何だかとっつきにくい」、でも様々な新しい技術や未来を生み出す根幹である「基礎研究」について、少しでもその意義をお伝えしたい、そんな気持ちから始めた当ブログ、暗中模索・試行錯誤を繰り返しつつ運営してまいりましたが、3年という節目を機にその活動を見直し、今後の新しい展開の可能性を含めて発展的に解消させていただくことといたしました。

今後は、また新しい形で、「基礎研究」から生まれる「キニナル!」をお伝えできるよう、模索してまいりたいと思います。

最後になりますが、これまでのご愛読に改めて感謝いたします。誠に有難うございました。

【研究成果プレスリリース】ニホンウナギから人類初のビリルビンセンサー―ウナギが光る仕組みを解明、その特性を利用して臨床検査蛍光試薬を開発―:宮脇生命時空間情報プロジェクト

生命のダイナミズムを見るライブイメージングを実用分野へ展開すべく研究を進める宮脇生命時空間情報プロジェクトは、ニホンウナギが光るしくみを解明し、そこに深く関わる遺伝子産物「UnaG(ユーナジー)」を利用した臨床検査蛍光試薬の開発に成功し、研究成果として6/14付けでプレス発表を行いました。

◆プレスリリース(理化学研究所、JST 共同発表)
ニホンウナギから人類初のビリルビンセンサー―ウナギが光る仕組みを解明、その特性を利用して臨床検査蛍光試薬を開発―
シラスウナギ全身(左)と胴体横断面(右)の蛍光像。この蛍光タンパクからUnaGが発見されました。


この研究成果は米国の科学雑誌『Cell 』オンライン版に掲載され、日本経済新聞、ウォールストリートジャーナル日本版など、様々なメディアにも取り上げていただいきました。

【研究成果プレスリリース】iPS細胞から造血幹細胞の作製に成功。さらに遺伝子治療への応用にも成功 ―骨髄移植に代わる新たな治療法に期待―:中内幹細胞制御プロジェクト

幹細胞による再生技術を実際の臓器移植に利用できる応用段階まで推し進める基盤技術の確立を目指す中内幹細胞制御プロジェクトが、5/14付けで研究成果をプレス発表しました。

◆JST発表
iPS細胞から造血幹細胞の作製に成功。さらに遺伝子治療への応用にも成功 ―骨髄移植に代わる新たな治療法に期待―

本研究成果は2013年5月14日(米国東部時間)に米国遺伝子治療学会誌「Molecular Therapy」のオンライン版で公開されます。

これまで、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から造血幹細胞を試験管内で作る試みがたくさん行われていますが、いずれも生体に移植しても生着せず、移植に使えるような造血幹細胞を作り出すうえでの課題となっていました。

今回の研究で中内研究総括ら研究チームは、生きたマウスにiPS細胞を造血幹細胞への分化を促すたんぱく質などと共に移植し、体内で造血幹細胞に分化させることに成功しました。また、分化した造血幹細胞を取り出し、造血幹細胞を失った別のマウスに移植したところ、正常な造血幹細胞と同様に生着し血液を作り出すことが分かりました。できた血液にはほぼ全ての血液細胞が含まれており、「移植に使えるような造血幹細胞」の実現に向けた大きな一歩となりました。
さらに、遺伝的に障害があり免疫不全になったマウスからiPS細胞を作り出し、遺伝子の障害を矯正した後にマウスの体内で造血幹細胞に分化させることにより、免疫不全を治療することにも成功しました。

A.iPS細胞をマウスに注入すると、腫瘍の一種であるテラトーマが形成されその中で造血幹細胞が分化し、骨髄に移動する。
B:マウスの生体内で分化したiPS細胞由来の造血幹細胞を取り出し、造血幹細胞を失ったマウスに移植すると生着して造血する。
iPS細胞はOP9という支持細胞と共にマウスに注入し、同時に免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質であるサイトカインをポンプに入れてマウスの皮下に埋め込む。3か月(12wks)後、骨髄からiPS細胞由来の造血幹細胞を採り出し、造血幹細胞を失ったマウスに移植すると生着して造血する。


【研究成果プレスリリース】植物が花粉管の誘引を停止するメカニズムを発見:東山ライブホロニクスプロジェクト

動植物を構成する個々の細胞が、近距離あるいは遠距離にある他の細胞とコミュニケーションをとりながら個体全体を維持するための細胞間コミュニケーションである「ホロニックコミュニケーション」について、ライブセル解析によりその全容解明に挑む東山ライブホロニクスプロジェクトの東山研究総括らが、植物が花粉管誘引を停止する仕組みを発見し、5/14付でその成果をプレスリリースとして発表しました。

◆JST、名古屋大学 共同発表
植物が花粉管の誘引を停止するメカニズムを発見


今回の研究で発見された卵細胞と中央細胞による花粉管の誘引停止の模式図。
卵細胞と中央細胞の受精がそれぞれ独立に、花粉管を誘引する助細胞に作用し、花粉管の誘引が完全に停止する(上段)。
片方の受精(単独受精)では、花粉管誘引は完全には停止せず(下段左)、2本目の花粉管が誘引され、ヘテロ受精が起こる(下段右)。
(クリックすると大きな図で表示されます。)

高原ソフト界面プロジェクト:高原淳研究総括が日本レオロジー学会賞を受賞されました。

ソフトマテリアル表面・界面の構造とその分子運動特性(ダイナミクス)の関係を解明し、高機能材料の構築・制御と、普遍的原理の確立を目指している高原ソフト界面プロジェクトの高原淳総括が、(社)日本レオロジ―学会の学会賞を受賞しました。

受賞にいたった業績は、「ソフトマテリアルの界面ダイナミクスと力学的性質に関する研究」です。
これまでの技術では困難だった有機・高分子材料の表面・界面のダイナミクスと力学物性評価の手法を確立したことで、表面に特異的な構造と物性を明らかにし、様々な表面物性の制御が自由にできるようになりました。 これを活用して、表面・界面の性質が重要な機能材料が色々と開発できるようになりました。またこの研究は、ソフトマテリアルの界面ダイナミクスと表面力学物性の新しい分野を展開したといえ、今回この点も高く評価されています。なお、今回の受賞業績には、ERATO研究成果も含まれているとのことです。


日本レオロジー学会では、レオロジーの分野で優れた業績を上げた会員に対し、功績賞・学会賞・技術賞・奨励賞・論文賞及び Best Presentation 賞を授与しています。
中でも学会賞は1982年に創設された、同会で最も歴史のある賞です。


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【研究成果プレスリリース】細胞の「ひも」が織りなす新しい医療 ―立体細胞組織構築の材料となる細胞ファイバーを開発―:竹内バイオ融合プロジェクト

細胞をあたかもネジやバネ、歯車といった規格化された部品のように加工するという、工学的アプローチから人工組織構築や関連技術の創出を目指す竹内バイオ融合プロジェクトの研究成果が、本日4/1付でプレス発表されました。

今回、研究グループは細胞とコラーゲンの混合溶液を微小な管に流しながら固めて培養することで、マイクロスケールのファイバー形状(ひも状)の細胞組織を人工的に構築する方法および、そのファイバー形状の細胞組織をあたかも「ひも」のように扱い、3次元的に織ったり巻いたり束ねたりして組み上げることで、細胞の機能を維持した状態でセンチメートルサイズの3次元的な細胞組織を構築する方法を開発しました。また実際に、膵島細胞ファイバーを糖尿病疾患モデルマウスに移植することで、マウスの血糖値を正常化させることに成功し、ファイバー状の細胞組織は体内でも機能を発揮し、実際の移植にも応用できる可能性を示しました。
膵島(すいとう):膵島はすい臓にある細胞塊で、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌するβ細胞(B細胞)など4つの細胞からなる。

リリース全文は以下よりご覧ください。

◆東京大学、JST共同発表:
細胞の「ひも」が織りなす新しい医療―立体細胞組織構築の材料となる細胞ファイバーを開発―

また、本成果は、NHKや読売新聞などのメディアでも取り上げていただきました。
◆NHK NewsWeb;細胞をひも状に培養 立体化も
◆YOMIURI ONLINE:細胞生きたまま「ひも」に…再生医療に応用
(A)ファイバー形状の細胞組織(細胞ファイバー)構築の概念図。(B)作製した繊維芽細胞による細胞ファイバーの写真。


【研究成果プレスリリース】すい臓のないブタに健常ブタ由来のすい臓を再生することに成功:中内幹細胞制御プロジェクト

幹細胞による再生技術を実際の臓器移植に利用できる応用段階まで推し進める基盤技術の確立を目指す中内幹細胞制御プロジェクトが、2/19付けで研究成果をプレス発表しました。

◆JST、東京大学、明治大学 共同発表
すい臓のないブタに健常ブタ由来のすい臓を再生することに成功

今回発表された研究成果は、体細胞クローニング技術を用いて、すい臓の無い「すい臓欠損クローンブタ」を作製し、その胚(ホスト胚)に正常ブタ由来の胚(ドナー胚)を注入し、胚盤胞補完法という手法を用いて、すい臓欠損の遺伝子を持ちながらも正常ブタ由来のすい臓を再生させたキメラブタを作ることに成功した、というものです。(「キメラ」とは2種類以上の遺伝的に異なる細胞からなる個体のことで、キメラ作製技術は、古くからノックアウトマウス作製に用いられています。)


(図1:研究内容全体を示す模式図)


【番外編】ティファニーで朝食を、東大でワインを。

ERATOと直接は関係ないのですが(汗)、東原化学感覚シグナルプロジェクトの東原研究総括が企画に加わられている、ワインに関するシンポジウムが開催されます。
ERATOと関係ないと言ったものの、味はもちろん香りや食事とのマリアージュを楽しむ五感発動型の飲みものであるワインは、東原先生の研究テーマである「化学感覚シグナル」と深〜い関わりがあること間違いなしですので、当ブログでも紹介したいと思います。

〜新たな時代を迎えた日本ワイン〜
「日本ワイン・公開シンポジウム」開催


◆日時:2月10日(日) 13:00〜
◆会場:東京大学弥生講堂一条ホール&アネックス
◆主催:日本ワイン造り手の会
◆参加費:一部無料、二部有料(一般 2,500円 学生1,000円)
※事前の参加登録は不要
◆開催内容:
13:00〜16:20 第1部 公開シンポジウム「生産者が語るワイン造りの現場」(定員300名)
16:30〜18:30 第2部 「日本ワインを知る、味わう」(定員150名)
◆問い合わせ先:日本ワイン造り手の会事務局
e-mail:jpwine0210@gmail.com


主催の「日本ワイン造り手の会」は、日本産ワインの生産者が自らが学ぶ場、交流する場をつくろうと、2005年から活動を始めた会で、これまで生産者を対象に勉強会を行ってきたそうですが、今回はじめて一般の方向けに、会として、ワインに関する情報や会の考え方を発信しようと、シンポジウムを開くこととなったそうです。
一部では日本のワイン造りの今を伝える講演が行われ、二部では「日本ワインを知る、味わう」と題して、ワインの試飲が楽しめるようです。

日曜日の東京の天気は「晴時々曇」、最高気温は12℃前後の予想です。
うららかな陽気のなか、東大キャンパスに日本のワイン造りの今と、美味しいワインを楽しみに出かけてみてはいかがでしょうか?



【ブログ内関連記事】
【メディア掲載】文藝春秋の特集記事「人材はここにいる」にERATO研究総括4人が選ばれました

【新プロジェクト始動!】「匂い」「フェロモン」や「味」が行動や情動に影響を及ぼすメカニズムを解明、新しい医療や健康産業の基盤を作る〜東原化学感覚シグナルプロジェクト


【研究成果・論文掲載】光をきっかけに接着するカテコール系水溶性ポリマーを開発:高原ソフト界面プロジェクト

二枚貝の一種であるイガイは、水中でも岩礁などに強く接着することが知られています。これは、イガイの接着タンパク質に含まれているカテコールの働きによるものです。 カテコールは、化石燃料の枯渇問題や環境負荷の低減といった社会的要請や人体への安全志向などから、新しい接着材料として期待されており、これまでにもカテコールを含む接着ポリマーの開発がいくつか報告されています。しかし、これらはいずれも空気中で不安定で、保管や取扱いが難しいものでした。

高原ソフト界面プロジェクトでは、空気中でも安定に保存でき、光を照射した時にだけカテコールを生成し、必要な時と場所で接着剤としてはたらく新しいポリマーを開発しました。
さらに、この接着ポリマーは、ガラスや金属といった滑らかで乾燥したものの接着はもちろん、濡れた表面でも接着できるため、皮膚移植や止血など湿潤した面を接着する必要のある医療用接着剤などへの利用も期待されています。

開発された「光きっかけで接着するポリマー」。(a)は30分間光照射後、および(b)光照射なし

尚、本成果については、1/23に九州大学よりプレス発表がなされました。
◆九州大学 プレスリリース一覧:http://www.kyushu-u.ac.jp/press/index.php
   ※該当のプレス本文PDFはこちら。→ http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2013/2013_01_22.pdf

また、この研究成果はACS Macro Letter誌に掲載され、アメリカ化学会誌であるC&ENにもニュースとして取り上げられました。
◆ACS Macro Letter:「Light-Triggered Adhesion of Water-Soluble Polymers with a Caged Catechol Group」




【ブログ内関連記事】
「しなやかで強い」ソフトマテリアルに新たな潮流を〜高原ソフト界面プロジェクト
【関連リンク】
ERATO高原ソフト界面プロジェクト(プロジェクトホームページ)

JUGEMテーマ:科学

【メディア掲載】文藝春秋の特集記事「人材はここにいる」にERATO研究総括4人が選ばれました

文芸春秋の最新号である2月号の総力取材記事「人材はここにいる」に、ERATOの研究総括4名が選ばれました。

「人材はここにいる」は昨年の山中伸弥教授のノーベル賞受賞を受け「将来のヤマナカはいるのか」をキーワードに、文藝春秋編集部が「科学技術」「医学」「政治」「経済」「芸術」「スポーツ」などの分野で今後10年ほどの間に世界的な活躍が期待される「未来の日本を担う逸材」を探し出したもので、大手新聞社、通信社へのアンケート取材に加え、各界の第一人者や専門家からの推薦などをベースに、108名が選ばれています。
科学技術分野から14名、医学分野から13名の方が選出され、ABC理論の望月新一氏らと並んで、ERATO研究総括からは次の4名が次世代を担う「逸材」として選ばれました。

【科学技術】
◆香取創造時空間プロジェクト:香取 秀俊(東京大学 大学院工学研究科 教授)
     プロジェクトHP
◆染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクト:染谷 隆夫(東京大学大学院工学系研究科 教授)
     プロジェクトHP

【医学】
◆東原化学感覚シグナルプロジェクト:東原 和成(東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 教授)
     ERATO HP プロジェクトページ
◆斎藤全能性エピゲノムプロジェクト:斎藤 通紀(京都大学大学院医学研究科 教授)
     ERATO HP プロジェクトページ

各総括のみなさん、おめでとうございます。
上記4プロジェクトはいずれもERATO期間5年間の前半にあるプロジェクトです。今後の活動にさらに期待が寄せられます。



【関連リンク】 ◆文藝春秋Web:文藝春秋最新号(2013年2月特大号)
JUGEMテーマ:科学

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ERATOとは?

ERATOは(独)科学技術振興機構が管轄する目的型基礎研究推進のための競争的資金制度の一つです。今後の科学技術イノベーションにつながる社会・産業ニーズに対応した新技術を創出することを目的に、「並び立つものがない独創的な研究」を「卓越したリーダーのもと」展開し、新しい科学の領域を開拓します。
JST/ERATO公式サイト
wikipedia:ERATO

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