債券は上昇、10年入札結果順調で買い優勢-長期金利5カ月ぶり低水準
10月1日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。きょう実施の10年債入札結果が順調だったことを受けて買いが優勢となっている。安倍晋三首相が来春の消費税率引き上げを表明したことも手掛かりとなり、長期金利は約5カ月ぶり低水準を付けている。
東京先物市場で中心限月の12月物は前日比1銭高の144円13銭で開始し、その後はもみ合いとなっていたが、午前の取引終了にかけて水準を切り下げ、9銭安まで下落。しかし、午後の入札結果発表後には上昇に転じ、一時は19銭高の144円31銭まで上昇した。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.685%で始まり、午前は0.68-0.685%で推移した。午後に入ると買いが優勢になり、0.655%と5月10日以来の低水準に達した。20年物の146回債利回りは2bp低い1.55%、30年物の40回債利回りは2bp低い1.685%にそれぞれ低下している。
財務省がこの日実施した表面利率0.8%の10年利付国債(10月発行、330回債)の入札結果によると、最低落札価格は101円09銭と市場予想を2銭上回った。小さければ好調とされるテールは1銭と前回と同水準。投資家需要の強さを示す応札倍率は3.74倍と昨年12月以来の高水準を記録した。
ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、10年債入札について「堅調な結果、買い安心感が出ている」と分析した。「日銀の長期国債買い入れの効果が浸透しており、需給は良好」だとも話した。
安倍首相は1日午後、首相官邸で開いた政府・与党政策懇談会で2014年4月1日に消費税率を現行の5%から8%に引き上げる判断をしたと表明した。日銀がこの日午前に発表した短観(9月調査)は、円安進行に伴う輸出採算の好転が続いていることを背景に大企業・製造業の景況感が3期連続で改善。首相は短観の結果を踏まえて、来年4月に予定通り消費税率を引き上げるかどうか最終判断するとしていた。
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更新日時: 2013/10/01 13:47 JST