Updated: Tokyo  2013/10/02 04:13  |  New York  2013/10/01 15:13  |  London  2013/10/01 20:13
 

債券上昇、10年入札結果や消費増税表明で-長期金利5カ月ぶり低水準

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  10月1日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。長期金利は約5カ月ぶり低水準を付けた。きょう実施された10年債入札が順調な結果となったことや安倍晋三首相が来春の消費税率引き上げを表明したことなどが買い手掛かりとなった。

東京先物市場で中心限月の12月物は、前日比1銭高の144円13銭で始まった後、一時9銭安まで下落した。しかし、午後に入って、10年債入札結果が順調だったことを受けて上昇に転じて、144円31銭を付けた。結局は11銭高の144円23銭で引けた。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.685%で始まり、午前は0.68-0.685%で推移した。午後に入ると買いが優勢になり、一時は0.655%と5月10日以来の低水準を付けた。その後は0.66%で推移している。20年物の146回債利回りは2.5bp低い1.545%に低下。30年物の40回債利回りは2.5bp低い1.68%と5月9日以来の低水準を付けた。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、「10年債入札では相応に買いが入ったもよう。金利水準自体は高くはないが、貸し出しが大きく伸びない中、債券投資にシフトしたのではないか」と指摘した。安倍首相が来年4月からの消費増税を決断したが、経済対策に過度の期待が高まっていないことが債券市場での買い安心感につながっているとも言う。

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.8%の10年利付国債(10月発行、330回債)の入札結果によると、最低落札価格は101円09銭と市場予想を2銭上回った。小さければ好調とされるテールは1銭と前回と同水準。投資家需要の強さを示す応札倍率は3.74倍と昨年12月以来の高水準を記録した。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、10年債入札について「堅調な結果となり、買い安心感が出ている」と分析。「日銀の長期国債買い入れの効果が浸透しており、需給は良好」だとも話した。

日銀短観

日銀が午前に発表した短観(9月調査)は、円安進行に伴う輸出採算の好転が続いていることを背景に大企業・製造業の景況感が3期連続で改善した。これを踏まえて、安倍首相は同日午後、首相官邸で開いた政府・与党政策懇談会で2014年4月1日に消費税率を現行の5%から8%に引き上げる判断をしたと表明した。

米議会が暫定予算案をめぐる事態を打開できず、米政府機関の一部が1日閉鎖された。政府機関閉鎖は17年ぶり。最大80万人の連邦職員が自宅待機となり、国立公園など一部の政府サービスが停止する。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 池田祐美 yikeda4@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/10/01 15:45 JST

 
 
 
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