WRAPUP1: -世界の9月製造業活動、米が約2年半ぶり高水準 中国の伸び控えめ
[ニューヨーク/北京 1日 ロイター] - 世界各国地域の9月の製造業活動は、米国が約2年半ぶりの高水準となるなか、中国は控えめな伸びにとどまった。欧州は底堅く推移した。
米供給管理協会(ISM)が発表した9月の製造業部門景気指数は56.2と、前月の55.7から上昇し、2011年4月以来ほぼ2年半ぶり高水準となった。ロイターがまとめたエコノミスト調査では55.0に低下すると予想されていた。
内訳では、雇用が55.4で前月の53.3から上昇し、2012年6月以来の高水準。ただ新規受注は60.5と、前月の63.2から低下した。
ISM統計とは別に、マークイットが発表した9月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は速報値と一致する52.8で、前月の53.1から低下、3カ月ぶりの低水準にとどまった。
こうしたなか、中国では、国家統計局が発表した9月のPMIが51.1となり、前月の51.0から小幅上昇したものの、予想の51.5には届かなかった。HSBCが発表した9月のPMI改定値は50.2と、8月の50.1から小幅上昇したが、速報値の51.2からは下方修正された。
JPモルガン(香港)の首席中国担当エコノミスト、Haibin Zhu氏は「回復がどの程度持続可能かが問題であり、われわれは引き続き慎重な見方をしている。中国経済は第3・四半期に天井をつけ、第4・四半期は減速すると予想される」と述べた。
マークイットが発表した9月のユーロ圏PMI改定値は51.1となり、速報値と変わらずだった。2年2カ月ぶりの高水準を記録した8月の51.4からは低下したものの、3カ月連続で節目の50を上回った。
内訳では、販売価格に関するサブ指数が50.3と8月の49.6から上昇。2012年半ば以来約1年ぶりに50を上回った。生産指数は52.2で、8月に記録した2年3カ月ぶり高水準の53.4から低下したが、速報値の52.1をやや上回った。
マークイットは、製造業部門が域内の景気を押し上げており、周辺国にも需要の改善が見られると指摘した。
JPモルガンが1日発表した9月の世界製造業景気指数(PMI)は51.8と、前月の51.6から上昇し、2011年6月以来の高水準となった。また9カ月連続で判断の拡大・縮小の分岐点となる50を上回った。
ただ雇用に関する指数は50.3と、前月の50.5から低下。製造業の活動ペースが加速しているにもかかわらず、企業が雇用をほとんど拡大していないことが浮き彫りとなった。
*関連グラフィックは以下をご覧ください。
米ISM製造業指数
米・加・ブラジル・メキシコの製造業PMI
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