Updated: Tokyo  2013/10/02 03:41  |  New York  2013/10/01 14:41  |  London  2013/10/01 19:41
 

日銀短観:大企業・製造業の景況感はプラス12、リーマン後最高 (1)

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  10月1日(ブルームバーグ):日本銀行が全国の企業1万社以上を対象に行った企業短期経済観測調査(短観、9月調査)は、円安進行に伴う輸出採算の好転が続いていることを背景に、大企業・製造業 の景況感が3期連続で改善した。2007年12月調査以来5年9カ月ぶりの高水準で、08年秋のリーマン・ショック後で最高となった。

1日発表された4半期に1度の短観で、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた業況判断指数(DI)は、大企業・製造業がプラス12と6月の前回調査から8ポイントと予想を上回る改善となった。同・非製造業はプラス14と2ポイント改善した。同・非製造業の改善も3期連続。ブルームバーグ・ニュースの事前調査はそれぞれプラス7、プラス14だった。

安倍晋三首相は短観の結果を踏まえて、来年4月に予定通り消費税率を引き上げるかどうか最終判断するとしており、短観の結果は引き上げ判断を後押しするとみられている。

3カ月先の見通しはそれぞれプラス11、プラス14だった。日銀は9月の金融経済月報で、景気は「緩やかに回復している」と評価。先行きも「緩やかな回復を続けていく」との見通しを示している。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで「消費税率を予定通り8%に引き上げるという安倍首相の最終判断を阻害しない結果にはなったと判断される」としている。

設備投資は小幅下方修正

中小企業の業況判断DIは、製造業がマイナス9と5ポイント改善、非製造業はマイナス1と3ポイント改善した。先行きはそれぞれマイナス5、マイナス2を見込んでいる。13年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比5.1%増と前回調査(5.5%増)から小幅下方修正された。

13年度の想定為替レートは通期1ドル=94.45円、上期94.77円、下期94.14円。今回の短観の回答期間は8月27日-9月30日。調査対象企業は1万548社で回答率は99.3%。短観発表直後の円相場は下落、午前10時半現在は1ドル=98円台前半で推移している。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「中小企業の業況も改善しており、アベノミクスの恩恵が波及していることが確認された」と指摘。設備投資計画は「小幅下方修正されたものの、9月調査では元々そのバイアスがある。数字自体は強く、悲観する必要はないだろう。下期にかけては、製造業の設備投資回復が期待できる」としている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 +81-3-3201-3564 mhidaka@bloomberg.net;東京 氏兼敬子 +81-3-3201-7311 kujikane@bloomberg.net

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 氏兼敬子 kujikane@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2013/10/01 10:59 JST

 
 
 
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