東京国立博物館が朝鮮王室の武具など展示 盗難品と推定
【東京聯合ニュース】東京国立博物館が盗難品と推定される朝鮮王室の武具などを展示しており波紋を呼んでいる。
同博物館で1日から始まった展示会「朝鮮時代の美術」では、朝鮮王朝第26代王の高宗が使ったとされる甲冑(かっちゅう)をはじめ朝鮮王室の文化財が多数含まれた。
博物館側は、会場に展示されているかぶとやよろいが19世紀の朝鮮時代のもので、小倉コレクション保存会から寄贈を受けたと説明するにとどまり、朝鮮王室の遺物という事実を明らかにしていない。
同コレクションは朝鮮が日本の植民地だった時代に南鮮合同電気の社長などを務めた日本人事業家、小倉武之助氏(1870〜1964)が1910〜1950年代に朝鮮半島全域で収集した文化財の一部。小倉氏の死去後、子息が1982年に同博物館に寄贈した。小倉氏は盗掘など不法な方法で文化財を収集した人物として知られる。
海外に持ち出された韓国文化財の返還運動を展開する市民団体代表を務める僧侶の慧門(ヘムン)さんは同日、博物館を訪問した。かぶととよろいについて「朝鮮王室のものだという博物館の確認を受けた。年代などから高宗が使っていたものに間違いない」と述べた。その根拠として、かぶとに最高の地位を示す白翡翠(ひすい)の装飾があること、爪が5本の龍が刻まれていることなどを挙げた。
会場には高宗の妃、明成皇后を殺害した日本の刺客が持ち出したとされる膳が「風穴盤」という名称で紹介されているほか、官服や冠なども展示されている。
20点の展示品のうち10点が小倉コレクション保存会から寄贈を受けたもので、盗難品を展示しているとの声が出ている。
慧門さんは「個人が所蔵できない王室の物品の寄贈を受けたということは、博物館側が盗難品であることを承知で寄贈を受け入れた可能性がある」と指摘した。
この日博物館を訪問した韓国の安敏錫(アン・ミンソク)国会議員は、寄贈を受けた展示品がどのような経緯で日本に渡ったかを博物館側が調査し明らかにするよう促す国会決議案の採択を推進するとの考えを示した。
「朝鮮時代の美術」に展示されているかぶと。高宗が使ったものとみられる=1日、東京(聯合ニュース)
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