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ネット世論恐れる中韓首脳 自縄自縛招いた「反日」

産経新聞 9月12日(木)11時5分配信
 外交とは、国家の命運をかけた冷徹なパワーゲームであると同時に、それぞれの国の愚かしくも子供っぽくも見える国内事情が、そのまま反映する人間くさいドラマなのだと感じる。特に、自らが長年利用してきた「反日」に自縄自縛となり、身動きがとれなくなっている中国、韓国の現状がそれを表している。

 「中国では、役人や軍人の汚職、腐敗問題など内政上の混乱が外交の混乱につながっている。さらに指導部は、中国版ツイッターなどインターネット上の声に過敏になっている」

 このほど意見交換する機会があった中国のある改革派知識人はこう語った上で、中国の言論空間のちぐはぐさを指摘した。

 「中国は民主主義ではないし、(新聞、テレビなどの)言論の自由も完全じゃない。一方でネットメディアは非常に発達している」

 中国共産党幹部にすれば、コントロール下に置いてきた既存メディアと異なり、過激な言説や内部告発情報が飛び交うネットは制御不能な「怪物」に思えるのだろう。

 最近では、ネット上のオピニオンリーダーが、明確な理由も示されないまま逮捕される事例も目立つという。

 過敏な対応は中国当局の「おびえ」を表している。ただでさえ「13億の民を統治していくことは大変」(安倍晋三首相)なのに、国内では権力闘争が続き、習近平国家主席の政権基盤は「いつ体制固めができるか全く分からない」(改革派知識人)。連日のように党幹部のスキャンダルが明らかになる中で、頼みの経済成長は減速気味だ。

 そこでネット上の「世論」が対日強硬姿勢を求めたならば、指導部はそれに引きずられざるを得ない。中国指導部はそんな受動的立場にあるのではないか。

 ◆余裕がなかった?習氏

 ロシアで5日に開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合で、安倍首相に声をかけられた習氏は、握手には応じたものの「まるでロボットみたいに」(関係者)じっと固まってしまい、なかなか言葉が出なかった。

 虚を突かれたという部分もあろうが、そもそも中国側には日本と関係改善を話し合う十分な準備も心の余裕もなかったのかもしれない。これは韓国も同じだ。

 G20で安倍首相は、韓国の朴槿恵大統領とも立ち話をした。韓国メディアはこの時の朴氏の対応を「冷淡」だったとのニュアンスで報じているが、実は朴氏は非常ににこやかで会話の中身も常識的で、握手も交わしていたと聞く。

 8月に東南アジアで開催された国際会議で、韓国の外務省高官と隣り合わせた鈴木俊一外務副大臣は、延々と「本当は韓国政府は反日ではない」という趣旨の釈明を受けた。要は国内メディアが怖いので表向き日本批判を続けたいが、「真意を理解してほしい」という勝手な言い分である。

 結局、中韓両国とも国内世論の前に立ちすくみ、政権の事情で日本との関係改善を拒んでいる側面が大きい。日本はこれまで通り「対話のドアは開いている」と第三国にアピールしつつ、中韓両国は当面放っておくのが正しいのだろう。(政治部編集委員・阿比留瑠比)
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最終更新:9月12日(木)12時29分
産経新聞
 
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