【編集委員・小泉信一】「反権力の象徴」と語り継がれるストリッパー、一条さゆりさんをしのぶ会が十七回忌にあたる3日、大阪市西成区の立ち飲み酒場「難波屋」であった。ストリップ劇場の元興行師で写真家の川上譲治さん(63)が「波乱に満ちた生涯に再び光をあてたい」と企画。ファンや関係者ら約200人が集まった。
一条さんは1972年、大阪での引退興行中に公然わいせつ容疑で現行犯逮捕され、娯楽か犯罪かをめぐって最高裁まで争ったが、懲役刑が確定。晩年は生活保護を受けながら大阪・釜ケ崎で暮らし、97年8月に肝硬変のため60歳で亡くなった。
東京から駆けつけた元ストリッパー牧瀬茜さんが「ストリップ劇場の存続が危うい中で踊り子はみんな懸命に踊っている。天国から見守って下さい」と追悼の辞を述べた。一条さんの生涯を描いたアングラ劇「谷間の百合」が上演されたほか、引退後を知る舞台役者、一色凉太(いっしきりょうた)さん(71)が一条さんの最期を語った。