【ニューヨーク=春日芳晃】シリアのムアレム外相は9月30日、国連総会で一般討論演説を行い、同国の内戦について「内戦ではなく、テロリストとの戦いだ」とする持論を展開し、反体制派を支持する欧米やアラブ諸国を批判した。
ムアレム氏は国名の名指しは避けつつ、「83カ国以上から集まったテロリストが『聖戦』の名の下にシリア国民と兵士の殺害にかかわっている」と主張。2001年の米同時多発テロにも言及し、「ニューヨーク市民はテロによる破壊を目にし、過激主義の炎と流血の惨事に苦しんだ。今同じように我々もシリアで苦しんでいる」と訴えた。
ムアレム氏の発言を受けて、欧米やアラブ諸国からは「学校や病院を砲撃し、市民を化学兵器で攻撃したのはアサド政権の方だ」(米国連代表部報道官)などと反発の声が上がった。
また、ムアレム氏はシリアが加盟した化学兵器禁止条約について、「シリア政府は条約が定める義務を順守することを約束する」と明言。10月1日から始まる化学兵器禁止機関の査察に協力すると強調した。
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朝日新聞国際報道部