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【若手記者が行く】「顔は撮影しないで!」 園児たちの取材で意外な注文が…約束破って抗議され、分かったこと
保育園と小学校からの要望だそうだ。こちらから頼んで出向いた取材だったが、イベント取材でこのようなお願いをされたのは初めてだ。子供たちの楽しそうな表情が撮りたかったのだが…。
イベントは屋外で行われた。「子供たちの顔がなるべく分からないように、でも何をしているのかは分かるように…」。そう心がけ、角度や方向を変えながらシャッターを切った。
その後、別の取材を終えて本社に戻った。一日で2つ取材をして原稿を書くのはこのときが初めて。締め切り時間に追われ、いつしか担当課長から言われたことは忘れてしまっていた。本当にうっかりしていた。
早朝の電話
記事が掲載された翌朝、泊まり勤務明けの眠い目をこすりながら仕事をしていると、社会部の電話が鳴った。「先日、区役所で開催したイベントを取材してもらったんですけど…」。すぐに自分にかかってきた電話だと分かった。「記事を読んだ校長先生から、『児童の顔がはっきり分かってしまい困る』と連絡がありました。子供たちの顔が分からないようにしてくださいといいましたよね?」
一瞬、頭が真っ白になったが、確認して折り返し連絡する旨を伝えて、いったん電話を切った。
区側のお願いの趣旨はこうだった。「今は、写真取材を受けるときに、保護者の承諾がいる決まりになっている。今回は全員の承諾を得ていないので、顔が分かる撮影は遠慮してほしい」
慌てて記事を確認する。イベントに参加した子供たちの表情がはっきりと見て取れる。「しまった」。すぐに上司に報告をした。
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