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【若手記者が行く】「顔は撮影しないで!」 園児たちの取材で意外な注文が…約束破って抗議され、分かったこと
「約束が違うじゃないですか。ちょっと困るんですよね」。受話器から聞こえてきた怒りを含んだ声。数日前に取材した区役所の担当課長からの電話だとすぐに分かった。子供たちのイベント取材で「顔がわからないように撮影を」と頼まれたのに、うっかり忘れて顔が分かる写真を載せてしまったのだ。電話を受け顔から血の気が引いた。でも、なぜ、顔が写っていてはだめなのか。うかつにもそのときは聞きそびれたが、あとで知ったのは、ほほえましいイベント取材であっても、気を配らねばならないさまざまな事情があるということだった。
(社会部 小川原咲)
いい写真を撮りたい
記者になって1カ月ほどたった5月。大阪市内の区役所で、地元の園児と小学生が参加して植物の苗を植えるイベントがあることをHPで知り、取材に行った。
その1週間前、植物園で撮影したバラとシャクヤクの写真が、構図を変えて何十枚も撮ったものの、ほとんど使いものにならず、先輩記者から「こんな写真が使えると思ってんの?」と厳しく叱られたばかりだった。それが頭にあったので、「今度こそいい写真を撮りたい」という気持ちだった。
顔はだめ コメントも匿名で
ところが取材先で、区役所の担当課長から意外なお願いをされた。「児童は顔が特定されない範囲で。園児は後ろ姿も写さないでください。それから、子供たちのコメントも匿名でお願いします」
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