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【モータースポーツ】

<大谷達也「クルマ新談義」>新型ポルシェ911、“新頭脳”で思いっきり&快適を実現 <7>

2013年10月1日 12時35分

デビューから50年が経過しましたが、外観も内装も当時のイメージをよく引き継いでいます。最新型911ターボは全モデルがAT仕様となりました(カメラ=大谷達也)

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 ドイツで行われた新型ポルシェ911ターボの試乗会に参加してきました。そう、スーパーカーブームのころに爆発的人気を誇った「ポルシェ・ターボ」の最新型です。

 「そんな2000万円以上もするクルマ、自分にはまるで関係がない」ですって? たしかに、私を含めた多くの人々にとって、おいそれと買えるクルマではありません。では、なぜこのクルマを取り上げるかといえば、それは911ターボに最新のクルマ事情が凝縮されていると思ったからです。今回もできるだけ分かりやすく説明しますので、どうか最後までお付き合いください。

 新型911ターボの特徴のひとつは、最新の電子制御がたくさん採用されていることにあります。電子制御をものすごく簡単に説明すると「電子の頭脳を活用して、従来はどちらか1つしか選べなかったいくつかの性能を同時に達成するもの」が電子制御だといえます。

 たとえば、エンジンを高出力にしようとすると燃費が悪くなります。でも、電子制御を使うとハイパワーで燃費のいいクルマが作れるようになります。足回りも同じで、電子制御を使うと普段は乗り心地がいいのにコーナーを速く走れるクルマができます。そのほかにも、機敏に曲がるけど安定性も高いクルマが作りやすくなるなど、たくさんの効果が得られます。もちろん限界はありますが、電子制御はまるで“魔法のつえ”のようなものかもしれません。しかも、作りようによっては電子制御を用いたほうがずっと安上がりになることもあります。

 というわけで、自動車メーカーのなかには安易に電子制御に走る企業もなきにしもあらずですが、多くの場合、電子制御にできるのは状況に合わせて機械の状態を最適化するだけで、もともと機械が持っている性能を大きく高められるわけではありません。

 ポルシェは「最高の機械を作る」ことにかけては世界でトップクラスの自動車メーカーです。たしかにポルシェの製品はどれも高価ですが、彼らの製品がどれだけしっかりと作り込まれているか、機械として高精度に作り込まれているかを知れば、むしろ安いとさえ思えるほどです。

 その、もともと優れた機械にさまざまな電子制御を盛り込んでいる。だから本当にいいクルマが出来上がるのです。しかも、いい機械と電子制御をただ組み合わせるだけでなく、その両方が最高の性能を発揮できるように、細かな調整も怠らない。その生真面目な姿勢は、いい意味でドイツ人気質の典型といえるかもしれません。

 みなさんは驚くかもしれませんが、電子制御のおかげもあってポルシェはとても乗り心地のいいスポーツカーです。それでいて、どんなメーカーのスポーツカーと比べても引けをとらないくらい高性能でもあります。つまり普段は快適なドライブが楽しめて、いざというときには思い切り走れるスポーツカー、それがポルシェなのです。私もいつかは所有してみたいと、そんな夢を抱いています。

 ポルシェ911が誕生して今年でちょうど50年。長年、愛され続けるクルマには、それを裏付けるしっかりとした理由があるようです。(自動車ライター)

サーキットで恐ろしく速く、一般公道では恐ろしく快適。これこそ電子制御のおかげです。911ターボSは最高出力560ps、最高速度318km/hのモンスターです(カメラ=大谷達也)

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