群馬大学医学部付属病院の患者の情報がインターネットに流出した問題で、群馬大は30日、同病院の30代の男性非常勤医師が故意に流出させたことが判明し、同日付で懲戒解雇にしたと発表した。群馬大の大学院生でもあり、同日付で退学処分にもした。県警は9月、国立大学法人法(秘密保持義務)違反の疑いで男性医師を書類送検した。
大学側の説明などによると、男性医師は今年1月、同病院の研修医だった2007〜08年に担当した入院患者2人の氏名や生年月日、入退院の年月日、病歴、検査結果などが記された病歴要約の文書ファイルを3回にわたってインターネット上にアップロードし、誰でも閲覧できる状態にした。そのうえで、偶然、発見したように装い、病院や報道機関に情報流出を知らせる匿名のメールも送っていた。
病院側の聞き取りに対し、男性医師は故意に流出させたことを認めた一方、動機については「なぜこんなことをしたのかわからない」と話しているという。
同病院では09年に電子カルテを導入したが、それ以前は医師が個人のパソコンで患者の個人情報を打ち込み、印刷して管理していた。男性医師を職員に採用したのは今年4月で、流出させた1月当時の勤務状況はわからないという。
大学側は記者会見して謝罪し、野島美久病院長は「二度と起こらないよう、徹底していく」と話した。(山下奈緒子)
ここから広告です
群馬アサヒ・コムは県内の主なニュース、連載記事、イベントなど、身近な話題を提供します。メールでのご意見、ご感想をお待ちしております。
メールはこちらから
朝日新聞前橋総局
別ウインドウで開きます