給糧艦 間宮について
給糧艦とは艦隊・前進基地等への物資(主に食料)補給を行う艦である。そのため艦内には調理加工施
設や冷凍倉庫などの設備が整えられている。当艦は約1,000トンの食料(材料)を搭載できた(この
量で一万八千人の艦隊将兵の食事を約3週間まかなう事ができる)。
この「間宮」は八八艦隊計画の一部として建造された日本海軍初の大型専用給糧艦であるが、元は
「能登呂」型給油艦の1隻として予算
が付いた物を、艦隊随伴用給糧艦の必要性から給糧艦へ変更建造されている。
純商船形式の船体設計であるが、通常の輸送船と異なり艦内は細かいスペースに割られ各種倉庫や工場
がぎっしりと詰まっている。各種多様の食料を倉庫に搭載するほか、艦内でアイスクリーム、羊羹、こん
にゃく、豆腐などの製造も行われるため製造を担当する職人も多数軍属として乗船していた。この「間宮」
内で製造される羊羹や菓子は連合艦隊の将兵に大人気であったといわれる。泊地などに進出中は当艦の士
官室が艦隊士官の海兵同期達が開くクラス会のために提供されたりしたという。
また「間宮」には艦隊の無線検知艦としての役割もあり、充実した無線設備が搭載され艦長も通信畑の
ベテランが任命されることが多かったという。