いじめ防止対策推進法が28日に施行されたのを受け、和歌山地方法務局は30日、いじめや虐待などの相談に専門家が応じる「子どもの人権110番」の強化週間を始めた。10月4日までの期間中、通常は平日午前8時半〜午後5時15分の受付時間を、午後7時まで延長する。同法務局の池永真・人権擁護課長は「先生や保護者に相談できないことなど、何でも気軽に相談してほしい」と話した。
同法務局によると、子どもの人権110番は学校でのいじめや体罰、家庭での虐待、インターネット上の中傷などについて、子どもや保護者などからの相談を受け付ける。対応するのは法務局の職員や人権擁護委員。強化週間中は電話回線を増やし、相談に対してアドバイスをしたり、学校や児童相談所と連携したりして問題の解決に当たる。
同法務局の子どもの人権110番への相談件数は、2008年の133件から年々増加し、12年は過去最高の350件に上った。うち49件がいじめに関する相談だった。大津市で一昨年、いじめを受けて中学2年の男子生徒が自殺した問題などが、増加に影響したとみられる。
今年6月の強化週間では、「息子が手のひらに爪のあとをつけて帰ってきたが、いじめではないか」という保護者からの相談や「クラスメートが1人で弁当を食べているのが心配」という中学生からの相談など21件の相談があったという。昨年の相談では、中学3年生の女子生徒へのいじめをめぐって信頼関係を失っていた学校と保護者の間に法務局が入ったことで、生徒の不登校が解消したケースもあるという。
子どもの人権110番は0120・007・110。法務省のホームページ(http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken113.html)では24時間、人権相談を受け付けている。