6イニング2安打無失点でリーグ戦初勝利を飾った慶大の加藤拓也投手=神宮球場で(小原栄二撮影)
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◇東京六大学野球<第3週第3日>
(30日・神宮)
慶大が8−0で法大に大勝し、4回戦に持ち込んだ。前日(29日)は8点差で大敗したが、打線が序盤から打ってお返し。今秋から先発陣に入っているルーキー右腕、加藤拓也投手(1年・慶応)が6イニング無失点でリーグ戦初勝利を挙げた。明大は5−4で早大に競り勝って、勝ち点を2とした。春秋連覇へ快調に勝ち点を重ねて首位に立ったが、救援したエース山崎福也(さちや)投手(3年・日大三)が乱調だったことで、善波達也監督(51)に笑顔はなかった。
前日(29日)に毎回の15安打を放った法大打線を黙らせた。今季から先発を任されている慶大のルーキー右腕・加藤が6イニングを2安打無失点に抑え初勝利。最後を締めた白村からウイニングボールをもらい「1年のときは体づくりだろうと思っていた。ここまで投げられると思っていなかった」と喜んだ。
今季4度目の先発は序盤に援護があった。「早い回に点をもらったので先頭打者を出さないように丁寧に投げました」。自慢の直球で押し、夏のキャンプで手応えをつかんで今秋から使っているツーシームでかわした。1回戦で逆転3ランを打たれた4番・西浦からもツーシームで空振り三振。倍返しとまではいかないが、3打数無安打2三振に仕留め、しっかりお返し。今秋ドラフト候補の主砲を抑えきって「ちょっと自信がつきました」と話した。
大学に入ってからの急成長は努力の結果だ。トレーニングルームの清掃当番の合間に、トレーニングをこなしてきたのは先輩たちも知っている。入学前から体重も5キロアップして84キロ。球威も増して、この秋の立大戦では自己最速の150キロもマーク。エース白村がリリーフに回った穴を十分に埋めている。期待のルーキー右腕に勝ち星がついて1勝1敗1分けのタイに持ち込んだ江藤省三監督も「きょうは気分がいい。ピッチャーが抑えて、4番が打てば勝ちますよ」と上機嫌だった。
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