名古屋グランパスの選手会がサポーターとのボウリング大会を開催することになった。選手会主催での交流イベントはクラブ史上初で、11月上旬に名古屋市内のボウリング場で行う。選手会長のGK西村弘司(29)は、シーズン終盤にチームが下位に沈む中での開催に「本当に迷った」と明かしたが、集客をクラブ任せにしないという今季の選手会の方針を貫くことを決断した。
13位と沈むチーム成績同様、集客でも昨年比で平均約2000人下回るなど苦戦が続くなかで、苦境を打開するための斬新なプロジェクトが進行していた。全選手が参加予定のボウリング大会は、選手会による肝いり企画。6月9日に行ったシーズンチケットホルダー・サンクスデーはクラブ事業部主導で選手会が協力する形だったのに対し、今回は逆となる。
参加資格は今季のシーズンチケットホルダーと、来季のシーズンチケット購入予定者。応募者の中から抽選で90人が参加できる。30レーンを貸し切り、選手が各レーンを回りながら助っ人として投球。入賞者にはスペシャルな賞品が用意される。実は選手内にはひそかにボウリング部が存在。小川、田口、永井、本多、田鍋、牟田、田中輝ら、ベストスコアが200点を超えるすご腕ボウラーが多くいるという。
ただ、ナビスコ杯で早々に敗退したため空いた日程であり、シーズン終盤に13位に沈む現状も考えれば、ファンサービスとはいえ疑問を投げかけられてもおかしくない。その点は西村も苦慮。「こういう時期やから、やるかどうかすごく迷った。もちろん試合に勝つことが一番。それでも変わらず応援してくれる方々がいて、僕たちに少しでもできることがあれば、と思った」と明かした。
また、アウェー仙台戦翌日の10月20日には宮城県多賀城市内でサッカー教室を行うことも決定。選手会副会長のMF藤本の発案で、グランパス単独では初の被災地での慰問活動となる。今季の選手会は、ピッチ外でもプロとしての価値を積極的に発揮しようとしている。
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