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  インタビュー<日曜日のヒーロー>
過去のインタビューは、日刊スポーツ(東京本社発行分)でご覧になれます。
ご希望の方は→こちらをご覧ください
なお、3月以降ニッカン・コム上では、紙面より1週間遅れでの公開となります。
第406回    高橋英樹  
2004.03.21付紙面より

高橋英樹
写真=サービス精神旺盛なスター。どんなストレスも笑い飛ばす豪快な笑い方にすっかり魅了されました
(撮影・矢木隆晴)

時代劇の大御所が「ヒデキ」に目覚めた

 時代劇の大御所ながら現代劇、バラエティーにと幅広く活躍する俳優高橋英樹(60)。2月に還暦を迎えた芸歴43年のベテランだが「どんな仕事でも自分のプラスになる。出会う人も仕事もすべて人生の師匠」と謙虚に語る。素顔はおしゃべり好きで、「ワハッハッハー」の笑い声もさわやかなおおらかな人。デビュー当時の思い出から、結婚30周年を迎えた妻とのアツアツぶりまでたっぷり語った。


私という人間を

 「よろしくお願いします」。ホテルの一室に高橋の大きな声が響き渡った。ベージュのジャケットに、同系色の綿パン姿。2月に還暦を迎えたばかりとは思えない若々しさ。バラエティーはもちろん、NHK「茂七の事件簿」で派手な立ち回りのない時代劇に主演するなど、常に新境地に挑戦する。若々しさは、仕事のジャンルにこだわらない、積極性なのだろう。

 高橋「多様性を秘めた存在に自分自身を作り上げていかないと今のお客さんのニーズにはこたえられないと思うんです。『分かったよ。正義の味方。時代劇でスーパーヒーローも分かった。じゃあ、普段はどういう人間なの』と、普段の私を見たい人もいます。バラエティーは普段の自分を瞬時に表してくれます」。

 バラエティー出演のきっかけは十数年前、長女真麻さん(22)とファンの子供の一言だった。

 高橋「ファンの子供が私のポスターを見て『このおじさんは誰?』と言ったそうなんです。その子は時代劇を見ていないから高橋英樹という存在を知らないんです。同時期、私の娘も『SMAPと共演できない俳優は俳優じゃない』という言い方をしたんです。『どうしてパパはSMAPと共演できないの』と。私はすぐバラエティー(テレビ朝日系『キスしてSMAP』、95年)で共演しました。娘から『出られたんだ』とすごく感動されましたよ。おかげで子供たちから『ヒデキ』と声をかけられるようになりました。ワッハッハッハー」。


自然体スタンス

 ジャンルにこだわらないのには別の理由もある。70歳になったら70歳の役、80歳では80歳の役を演じるという自然体のスタンスを保っていたいからだ。

 高橋「仕事は出会い。いい人にめぐり会って、いい仕事と出会う。出会ったとき、いつも対応できる技術や体力を兼ね備えていたいですね。いつも自然体で待っていたい。仕事が大好きなんです。どんな仕事にも必ず、自分の身になるものがあります。それをどう楽しんでやるか」。

 もちろん、時代劇が高橋英樹の原点だ。日本の文化として後輩に伝えることが高橋らの世代に課せられた使命との思いがある。時代劇の低迷には人一倍考え込んだ。

 高橋「完全無欠のヒーローが若い人にはヒーローになりにくい時代なのかなと考えることもありました。情報が豊富になって若者も人間の本質を見極めてきた。そうした中、『そんな人間なんていないよ』と思われる人物をヒーローと押しつけてもどうなのかと。ただ、水戸黄門は最初から印籠(いんろう)を出したら事件なんて起こらない。最後に出すからいい。日本の大事な文化なんです。時代劇にはいろんなヒーローがいていいんです。


繰り返す「父親」

 61年、高3の時、日活ニューフェース第5期生として芸能界入り。上下関係の厳しい時代で、高橋は超まじめ人間だった。

 高橋「おやじが高校の校長をやってましたから、学業をもって旨とすべしという環境だったんです。根底にあるのはそうした父の教え。主役なのに先輩の靴磨きを毎日30足もこなし、ロケバスも席がないと8時間も立ったまま移動しました。映画で使う靴も、サイズ(27・5センチ)がなくて、小道具さんから「そんなでかいのはない。これをはけ」と言われると「はい」と素直に返事をしてました。足に靴を合わせるため、布を詰めて伸ばしたりしてました。抜け切れないですね。いまだにまじめ。靴磨きは趣味になってます」。

 まじめ人間も先輩に毎晩のように銀座に連れて行かれ、遊びに明け暮れた時期もあった。だが、ある大先輩の一言で、すぐに超まじめ人間に戻ったという。

 高橋「ロケバスの中でスタッフと夜遊びの話で盛り上がっていたら、『伊豆の踊子』(63年)で共演した浪花千栄子さんから言われたんです。『あんた変わりはったわね』と。その言葉が胸にグサッと来ました。今の自分があるのはあの一言のおかげ。いい先輩にめぐり会えたと思います。忘れられない言葉です。

 芸能界入りのきっかけは厳格な父への反発心から。父は芸能界入りに猛反対したが、意外にも日活の受験は父の命令だった。

 高橋「芸能界は安定した収入が保証されてないから親としては心配だったと思います。父からは『芸能界に入るなら勘当だ』と言われました。ただ、日活の試験は父の命令で受けたんです。それでいて、万が一、合格したら勘当だと。矛盾しているようですが、試験に落ちてあきらめさせようとしたんですね。合格後は父とは口をきかずに半勘当状態でした」。

 父は62年6月、吉永小百合と共演した映画「霧の夜の男」の撮影中に亡くなった。勘当は解けていなかった。

 高橋「後でおふくろから聞いた話ですが、父は内証で映画館に行って、私の出演映画をすべて見ていたそうです。今は父親の気持ちが分かります。勉強、勉強とうるさくて、成績も1番じゃないと殴られていたから、反発ばかりしてましたけど。今、私、おやじそっくりなんです。やるべきことをきちんとしないと気が済まない点とか。娘に『勉強しなさい』なんて言ってしまって。『自分が昔、一番腹が立ったことを言ってしまった』と謝りましたけど。あれだけ、反発したのに、親になったら同じことをしているんですよ」。


妻と喧嘩は2度

 高橋は74年、美恵子夫人(元女優小林亜紀子)と結婚し、今年で30年になる。「だんなさま」「奥さま」と呼び合い、おしどり夫婦として有名だ。

 高橋「世界中の女性の中で、伴侶として存在する人だから私にとって最高の女性なわけですよ。私は俳優の世界にいますが、それ以外の分野では何をやらせても妻の方が上。安心して仕事に行ける家庭を作ってくれているのが奥さんですから、大事にしなきゃおかしいでしょ」。

 夫婦仲をよくする秘けつは「尊敬と信頼と感謝」と語る。家にいる時は2人で絶え間なく会話している。

 高橋「どんな時でも『ありがとう』という言葉を言うように心がけています。仕事を終えて帰宅すると『お疲れさま』。私が『待っててくれてありがとう』。当然、分かっていても言葉にしないと伝わらないでしょ。『ありがとう』と言うのに1秒もかかりません。1秒を惜しんでどうすんのよということですよ。

 そんなおしどり夫婦も30年間に2度けんかしたことがある。

 高橋「結婚して7年後に子供が生まれ、子育て論でちょっと。妻も子育てで疲れていたのかも。もう1回は結婚1年後。違う家庭で育ったから習慣が違い、互いに遠慮があったんですね。朝食がまるで旅館の食事のように酢の物、煮物、焼き魚と並ぶんです。申し訳ないからと全部食べると、妻は足りないのかと思って翌朝、一品増やしてるんですよ。我慢して全部食べてましたが、1年後に苦しくなってぶつかりました」。


ポジティブ思考

 もう1人の愛する家族、1人娘の真麻さんは4月にはアナウンサーとしてフジテレビに入社する。

 高橋「大学入学直後に『表現する仕事をしたい』と言うんですよ。反対はしませんでした。娘の選んだ仕事は何でも協力するつもりでした。結婚も本人任せです。『この人と一生を』と決めたら…。でも、どれを見ても私が気に入るわけはない(笑い)」。

 インタビューを始めて1時間。事前に事務所関係者から「話し始めたら止まりませんよ」と言われたが、口だけでなく笑いも止まらない。疲れた表情はまったく見せない。エネルギー源はポジティブ思考だ。

 高橋「出会うものすべてが師匠。その場の事象はすべて自分のためにあると考えてます。すべて演技プランの対象で、人生のためにもなる。それから、しても意味のない後悔はしない。欠点も気づかないのが欠点かな。笑うとストレスが腹から出ていきます。好きなゴルフはストレス発散のためなのに、3パットした時なんて最もストレスがたまります。ワッハッハー」。


家族の安定が原点

 <マイベスト1> 趣味のゴルフはハンディキャップが8なんです。でもそんなことより、いろんな意味で僕のベスト1は家族、これしかないです。まあ、家族ですからちょっとしたかんかはよくありますが「まあ、いろいろあるけど頑張ろう」と最後は3人で円陣を組んで仲直りします。必ず、寝る前にフォローし、翌日には持ち越しません。家族が、僕にとって最高。家族が安定してることがすべての原点で、充電の場所。家族は最高ですよ。


 ◆買い物しなきゃ◆ 高橋がメーンパネリストを務める番組がTBS「ザ・プライスハンター」(4月9日午後6時55分)。あらゆるジャンルの日本一安いものを紹介するもので、1杯100円以下のラーメンや1カン50円以下のトロが登場。過去に紹介された激安洋服を好んで着ている高橋は「不景気なんだからもっと買い物をしなきゃ。僕は雑貨店や100円ショップにもよく行く。しちりんなんか買ってどうしようなんてこともあるよ」と笑う。


 ◆高橋英樹(たかはし・ひでき) 本名同じ。1944年(昭和19年)2月10日、千葉県生まれ。61年、高校在学中に日活ニューフェース第5期として入社。同年の映画「高原児」でデビュー。62年に日大芸術学部に進学するが翌63年に中退。62年の映画「激流に生きる男」で主演格となり、63年から仁侠(にんきょう)映画「男の紋章」シリーズでトップスターに。73年の大河「国盗り物語」、76年の日本テレビ「桃太郎侍」などで時代劇スターの地位を固め、最近はバラエティーにも出演。74年に結婚。181センチ、80キロ。血液型B。


(取材・中野由喜)

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