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【コラム 撃戦記】

2020東京五輪決定 素直に喜べない

2013年10月1日

 先日、大学を出て最初に入社した中日映画社のかつて上司の通夜に参列した。折しも2020年に2度目の東京五輪が決定。市川崑が総監督を務めた記録映画「東京オリンピック」の制作に中日映画社も参加したこともあり、制作に携わったカメラマンやスタッフの間で当時の思い出話が出た。

 今は平均寿命が伸びて元気な老人が増えている。五輪参加の夢はアスリートだけではない。2回目の東京五輪に制作スタッフとして加わる元気な老人の姿にも期待したいものだ。

 その一方で、私には五輪の東京招致決定をもろ手を挙げて歓迎するには胸につかえるものがある。それは、東日本大震災の津波被災地を訪れて被災者を勇気づけたアスリートはたくさんいたが、福島原発にはなかなか触れられなかったからだ。フランスのテレビ局が腕を4本描いたサッカー・川島永嗣の合成写真を使い、これに川島が「冗談でできることではない」と語ったぐらいではないか。

 誘致合戦でも最後まで問題視されたのは原発事故だった。主役のアスリートが原発に口をつぐんだ“お・も・て・な・し”に違和感は拭えない。原発事故の避難者に早くから手厚いメッセージが欲しかった。 (格闘技評論家)

 

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