金融機関:東京電力への800億円融資継続へ
毎日新聞 2013年09月29日 14時27分
三井住友銀行など約30の金融機関が、10月末に借り換え期限を迎える東京電力への約800億円の融資について継続する方向で調整に入った。東電が柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)6、7号機の再稼働に向けて原子力規制委員会に安全審査を申請したことで、東電の収支が改善に向けて前進したためで10月中旬の合意を目指す。
大手行首脳は「安全審査の申請は融資継続の追い風。各行との調整もうまくまとまると思う」との見通しを示した。
東電は昨年5月にまとめた総合特別事業計画で、柏崎刈羽原発の再稼働を前提に今年度、経常黒字を確保する見通しを示していた。しかし今夏以降、地元の新潟県知事の反発で再稼働どころか安全審査の申請もできない情勢となり、一部の金融機関が融資継続に難色を示していた。
東電が27日、柏崎刈羽原発の再稼働に向けた審査申請を行ったことで、火力発電の燃料コスト削減による収支改善の見通しが出て、金融機関が借り換えに応じやすくなっていた。
東電は財務体質を安定させるため年内に三井住友銀や日本政策投資銀行などから3000億円の新規融資を受ける計画で、10月末の借り換えはその前提だった。東電は借り換えを終えた後、新規融資の判断材料として、総合特別事業計画を見直し、金融機関に収支の改善を提示する見通しだ。【高橋慶浩】