データ操作 厚労省が年内の調査検討10月1日 4時27分
大手製薬会社「ノバルティスファーマ」の高血圧の薬の臨床研究に、この会社の当時の社員が関与し、論文のデータが操作された問題で、厚生労働省の調査委員会は先月30日の夜、論文を使った会社の広告は、結果的に薬事法で禁止された誇大広告のおそれがあるとする中間報告をまとめました。
これを受けて厚生労働省は立ち入り検査を含めて年内に調査を行う方向で検討を始めました。
この問題は、ノバルティスファーマが販売する高血圧の治療薬「ディオバン」の効果を調べた複数の大学の臨床研究に、この会社の当時の社員が関与し、論文のデータが操作されたものです。
これらの論文が薬の販売促進に使われ、年間1000億円以上を売り上げていたことから、厚生労働省は調査委員会を設置し、先月30日の夜に中間報告をまとめました。
この中では、データの操作については「誰が何の目的で行ったのか明らかにできなかった」としています。
しかし、会社の幹部が決裁し大学に多額の寄付をしていたことなどから「会社として研究に関与していたと判断すべきだ」と指摘したうえで、大学もデータ解析の能力がないのに大規模研究を行ったなどとして、会社と大学の双方に責任があるとしました。
そのうえで、論文を使った会社の広告は、結果的に薬事法で禁止された誇大広告に当たるおそれがあるとして、厚生労働省に詳しい実態解明を進めるなど厳しく対応するよう求めました。
これを受けて厚生労働省は、今回の調査結果や、誇大広告に当たるのかなどを分析したうえで、立ち入り検査を含めて年内に調査を行う方向で検討を始めました。
社長「調査に全面的に協力」
中間報告について、ノバルティスファーマの日本法人の二之宮義泰社長は記者会見し、「多くの方々にご心配とご迷惑をおかけしたことを心よりおわびいたします。データ操作が生じうる状況を作ってしまったことについて、深く責任を感じております。社内の調査では解明に至らなかったことから、引き続き当局の調査に全面的に協力したいと考えています。誇大広告に該当するおそれがあるとされた件や、医療保険財政上の問題の調査などについても、全面的に協力をさせていただきます」などと述べました。
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