では、こうした中で、日本メーカーはどう戦っていけるのか。
スマホ市場においては、アップル、サムスンなどの陰に隠れて、日本メーカーは主役を張ることはできなかった。といっても決して技術力で劣っていたわけではない。むしろ部品供給元として“黒子”に徹することになった。
「ウェアラブルは、精密で小型で、防水でという日本メーカーにとって十八番の分野。大事なのは、リスクはあっても人と違うことをやってやろうという姿勢だ。僕のようにね」と塚本教授は言う。
来るウェアラブルの時代において、日本メーカーは、その技術力を“宝の持ち腐れ”にすることなく、主役の座に就くことができるだろうか。
スマホの次を担うデジタル機器、
ウェアラブルコンピュータの世界
『週刊ダイヤモンド』10月5日では、「スマホの次」を担うデジタル機器として期待されている「ウェアラブルコンピュータ」にスポットを当てました。
新しいスマートフォンを前にしても、かつてのような興奮を覚えなくなりました。確かに性能は向上しているのでしょうが、もはやスマホは新しい体験を提供してくれるものではなくなっています。技術的には成熟した製品となったということでしょう。
代わって注目を浴びているのが、メガネ型、腕時計型などのウェアラブル機器です。実際、グーグル、アップル、サムスン電子といったスマホ時代の巨人たちは、「スマホの次」のデジタル機器の主役を張るであろう、「身に着ける」コンピュータに舵を切っています。