'13/10/1
井笠バス継承の7路線が終了
井笠鉄道(笠岡市)の経営破綻後、暫定的に引き継がれた福山市内のバス7路線が30日、運行を終えた。通院や買い物に利用してきた乗客は名残を惜しみ、沿道ではファンが最後の姿を写真に収めた。同市神辺町の2路線は10月から乗り合いタクシーに移行する。
神辺町北部の上三谷停留所。福山駅前行きのバスはファン1人を乗せて出発した。三つ先の下三谷では、通院などで週3、4日利用してきた安倍千代子さん(78)が乗車。「嫁に来た時から乗り慣れた赤いバス。なくなるのは寂しい」
かつては満員で座れないこともあったが、2012年秋の市調査では1便当たりの乗客は3人(上三谷―神辺駅前)に激減した。
井笠バスが12年10月で事業廃止した後は、中国バス(福山市)の子会社が運行を継続してきた。10月からは、行き先を町内の商業施設などに変えた乗り合いタクシー(3ルート)が予約制で運行を始める。
神辺町を経由していた坪生―福山駅前も、行き先を福山市民病院などに変え、乗り合いタクシーで引き継ぐ。大谷台などの団地と福山駅前を結ぶ4路線は別路線とルートが重複するため廃止。大門―茂平工業団地は利用客が少ないため運行をやめる。
【写真説明】運行最終日、上三谷停留所で出発を待つJR福山駅行きのバス(福山市神辺町)