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'13/9/30

車と電車の接触防止実験開始




 自動車と路面電車の間で互いの位置や速度の情報をやりとりし、接触事故を防ぐ技術の実験が29日、広島市中区の広電江波線で本格的に始まった。東京大などとシステムの開発を進めるマツダと広島電鉄(中区)が試験車両を走らせ、音や画像で接近を伝え合う仕組みを試した。

 この日は舟入本町―江波間で、衛星利用測位システム(GPS)を搭載した電車と車を6往復させた。双方が位置や速度、方向指示器の情報を無線で自動的に交換。接触の恐れがある場合は音で知らせた。

 車の運転席では、電車を追い抜き、軌道を横切って右折しようとすると「ポン」と警告音が鳴った。フロントガラスに備えた特別の装置には、後ろから近づく電車の絵も映った。電車の運転台にも「前方右折車あり」と音声が流れ、備え付けの画面に車の絵と矢印が表示された。

 広電の電車と車の接触事故は2010〜12年度に毎年約50件起きている。実験リーダーの東京大先進モビリティ研究センターの須田義大センター長(54)は「実用化して、広島の交通を支える路面電車の安全性と信頼性を高めたい」と話す。

【写真説明】前方の右折車両に注意を促すため、路面電車の運転台の装置に映し出された画像

【写真説明】路面電車の運転台から右折車に注意を払う運転士




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