東日本大震災:福島第1原発事故 東電幹部不起訴 告訴団、検審申し立てへ 150人が参加し決意「くじけず責任追及」 /福島
毎日新聞 2013年09月30日 地方版
東京電力福島第1原発事故をめぐり、東京地検が東電幹部や政府関係者全員を不起訴処分にしたことを受け、「福島原発告訴団」は29日の集会で、処分を不服として10月16日に東京の検察審査会へ審査を申し立てることを決めた。武藤類子団長は「不起訴にくじけることなく、東電の責任を追及しましょう」と訴えた。原発事故の責任を問う判断は、市民から選ばれる検察審査会に委ねられることになった。
検察審査会は、選挙権を持つ市民の中からくじで選ばれた11人が、検察の不起訴処分に対して議論する制度。そこで2度「起訴議決」が下されると、強制的に起訴の手続きが取られる。
起訴議決は、11人のうち8人以上の賛成が必要だ。保田行雄弁護士は、「ハードルは高いが、審査会では、申立人が証人の尋問などの申請を行うことができる。こちらから働きかけて、起訴を勝ち取っていくのが今後の闘い」と話した。
この日の集会は、郡山市熱海町熱海のユラックス熱海で開かれ、県内を中心に全国から告訴・告発人約150人が参加した。武藤団長は「いばらの道は覚悟していた。気持ちを切り替えて、新たな道を進みましょう」と発言。避難区域に指定されている大熊町からの避難者らがマイクを持ち「このまま虫けらのように扱われるのは許さない」「私たちは人間だ。東電の責任を問うため、最後まで闘いましょう」と訴えると、会場から拍手が沸いた。【三村泰揮】