プロ野球のスカウトたちが、続々と台湾の台中を訪れている。
松井裕樹投手(桐光学園)や森友哉捕手(大阪桐蔭)ら、ドラフトの目玉選手が出場する野球の18UW杯をチェックするためだ。
この日(30日)行われる予定だった1次ラウンド初戦(対カナダ)は降雨中止。スカウトもいきなり肩透かしを食らった格好だ。
<ヤクルト、横浜、日本ハム…>
中でも注目はエース格の左腕・松井。夏の甲子園は地区予選で敗退、高校生活最後の公式戦とあって、プロ側もウの目タカの目で松井の動向に目を光らせている。「日本と環境の異なる国際大会では、グラウンドの内外で性格がポロッと出ることがある」とは在京球団のスカウトだが、ここにきて「松井株」が暴落中という情報がある。
「巨人と阪神は、松井から捕手の森に方向転換したともっぱら。広島は最初からベタ降りって話だし、パのいくつかの球団も松井には行かなくなったらしい」と、セのあるスカウトがこう続ける。
「松井の生命線のスライダーが、プロで通用するかどうか疑問だというのです。打者が高校生だからワンバウンドでも空振りしているけど、プロはそう甘くない。あのスライダーが見送られたときに、打つ手がないという声がある。それに変則フォームももろ刃の剣。壁に当たったから、故障したからといって、フォームに手を入れるわけにはいかない。独特のフォームにメスを入れたら、力感や躍動感まで失うことになりますから」
このスカウトに言わせると、「中でも松井に熱を上げているのはヤクルト、横浜、日本ハムの3球団」とか。3チームともペナントレースでは最下位争いをしている。
(日刊ゲンダイ2013年8月31日掲載)