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│<< 前へ │次へ >> │新着記事一覧を見る│ コメントを書く│ タイヤ廃棄の意外な事実(6)
カテゴリ:I experienced
うちの事務所に来た知人が、
「タイヤが余っているんだけど……」 と言いました。 意図としては、タイヤの廃棄料と、アルミ(ホイール/外品)の売価の 相殺を知りたいということだと思いました。 が、いまの世の中、「売価」がつくことは難しいと思ったので、 次のような順序で、「廃棄」と「リサイクル」の方法を探りました。 1.当該自治体(居住地)に連絡し、乗用車のタイヤが ごみの分別のどの分野に入るかを確認。 →「産業廃棄物ですので、市では処分できません」 私「処分してもらおうと思うと、産廃業者ですか?」 →「そうですね」 私「業者を紹介してもらえるということはありませんか?」 →「いえ、それはありません。NTTのタウンページかなんかで、 『産廃業者』の欄から探してみてはいかがでしょう」 いい加減な返事。 廃タイヤは、不法投棄の挙げ句、自然発火で広域の火災をもたらすなど 多くの被害を出す可能性があります。 2.「産業廃棄物業者」に廃棄依頼の連絡 タイヤとホイールの廃棄ができるか確認。両方O.K.との返事。 私「料金は?」 →「1本2,500円です」 私「え、4本で1万円?」 →「は……」 私「回収料はその中に入ってますよね』 →「日時指定の場合、手数料をいただくことになってます」 私「いかほど…」 →「一応1万円が基本です」 私「ホイールは純正じゃなくて、アルミの外品が入っているんですが、 これはリサイクルできませんか?」 →「いえ、取り外しが面倒なので、すべて産廃です」 ここまで聞いて、私はばからしくなりました。 タイヤ4本処分するのに、2万円かかるなんて。 しかも、アルミは絶対売れる。そのままでのリサイクルはもちろん、 金属として売れるはずだ。それを隠されたので、 「近く、お願いすることになると思います。そのときはよろしくお願いします」 とうそぶいて電話を切りました。 次に、タイヤを扱うショップに照準を定めました。 3.自動車部品専門店に連絡 新たなタイヤを買おうと思えば、古いタイヤは不要になります。必ずある サービスだと信じて。 私「古いタイヤを引き取ってもらえますか?」 →「はい」 私「おいくらですか?」 →「1本300円です」 私「17インチでアルミの外品を履いてるんですが」 →「大きさやホイールに関係なく、普通乗用車のものであれば、300円です」 納得の金額です。 こうなると、「売れないものか」といった欲が出てきます。 「思い出」とか、「ビンテージ」といったことを考えればキリがありません。 が、オークションサイトが存在するくらいですから、 タイヤは無理としても、アルミに価値を見出してくれる人がいるかもしれないと 思いました。そのことを知人に聞くと、それなりに色気のある返事。 この時点でどれくらいの価値があるのかを知りたいのだと思い、 タイヤ込みでホイールを改修してくれる業者を捜しました。 ありました! 4.「タイヤ買取専門業者」に連絡 私「ホイルつきタイヤなんですが、大丈夫ですか?」 →「はい、大丈夫です」 私「17インチで外品のアルミをはいているんですが…」 →「詳しいことを聞かせていただければ、価格を出しますよ」 ということで、知人に電話を代わり、具体的な情報を話してもらいました。 その業者が言うには、どんなひどい状態でも、500円/本で 買い取ってくれるとか。しかも、引き取りに来る費用も込みで。 最初に調べたときは、1本/2,500円の廃物料が要り、しかも、回収時に 日時指定をすると、もう1万円がかかり、総計は、約2万円に上るらしい。 買い取り業者を使えば、1本500円が基本で、状態がよければもっと高く 買ってくれるというのです。例えば、500円だとしても、廃棄料が20,000円、 リサイクル料が2,000円とすれば、落差(損)が22,000円。 なぜにこんなことになったのでしょうか。 政権与党は、自治体は、どの業界の既得権益を守ろうとしているのでしょう。 「環境ビジネス」が勢いづいているいま、こうした現象が起こるのは、 経済社会に新たな分野が芽生え、活性化する際に起きる不合理だと思います。 でも! です。 ビジネスにはある一定の価値観やルールがあるはず。 これほどふれ幅の大きな業界は、国民生活に少なからず不利益をもたらすのではないでしょうか。 「秩序」が整備される必要はないでしょうか。 「情報」というものにうとい世代(人)は、確実に損をします。 事実、上記4つの方法を探し当てた私の横で、知人はたった一つの方法でさえ、 見つけることができませんでした。それは、ネットの「検索」機能を使いこなす能力 がないというより、方法論を仮定するという根本的な問題に対する情報量の貧困さが 招いたことでした。 よしんば、方法論をある程度知っていても、これほどの手法があると、 何を選択しても懐疑的にならざるを得ないと思います。 自由主義社会における経済理論を無視したかのようなこの現象、 放置していていいのでしょうか……。 これって、正常な経済活動でしょうか、 こんな単純な商業構造の中にさえ、一般人が入っていけない聖地があるのだと 痛感しました。 「利権」「既得権益」「グレーゾーン」……いやな世の中です。
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今月、かなりのモノを捨てました。。。
すべて会社の経費なので、せいぜい値切る程度で どこに何を処分するか??などと考える事もせず・・ 売れる物もたくさんあったと思います。 skeさんのアップ。 今後の糧にさせて頂きます!! (2009.04.29 10:14:02)
superiocityさん
実は私もちょうど1年前、事務所の備品をたくさん処分しました。そのときの産廃業者が言った「この業界のオーナーは、ベンツ乗り回してますよ」という言葉が脳裏にしみついてしまいました。 「廃棄料」という名目でお金を取っておきながら、それを高値で売るという行為がまかり通っているというのです。新興国の発展を支える資材として、日本人が出す産業廃棄物が非常に有効だということです。というわけで、1~4のすべてを検証しました。 結果は歴然です。 知っていると得をする時代です。ま、精神的、物理的には損をする時代でもありますが……。 (2009.04.29 10:50:24)
はじめまして。
読ませてもらい有難うございます。 私も情報に疎いと劣等感を持つ者です。 普段から、何を心がけ、どう鍛えれば解決に近づけるものでしょうか? (2009.05.01 01:30:07)
kirbyさん
ご訪問、書き込み、ありがとうございます。 うーむ、難しいご質問……。まず、マスコミは信じないことでしょうか。マスコミが言っていることの正反対を考えて、その間を埋める何かが大抵正解ということのように思います。 最近は、ネットという便利なものがあるので、同じテーマで多角的に論じている人々の声を聞くことができます。それを参考にするのも手じゃないでしょうか。妄信は禁物ですが。 もちろん、このブログもご参考に。 (2009.05.01 08:31:48)
私も同じようなことがありました。
役場が教えてくれた業者へゴミを引き取ってもらったのですがタイヤ4本(軽自動車、原付バイク)もお願いしようとしたら1本2,000円!!しかもお安くしていますとのことでした。高すぎるとの家族の意見でその日はゴミ(プラスチック類70Lの10袋くらいと冷蔵庫2台、洗濯機1台)を引き取ってもらい計2万5千円でした。その後、カーショップへタイヤ廃棄料を聞くと大小関係なく300円とのこと!!多くの方がこの事実を見て欲しいですね! (2013.06.04 16:04:10)
ご訪問、書き込み、ありがとうございます。
モノを捨てるのに大枚が必要な時代、でも、そのモノは決して「ゴミ」じゃないと思います。必要な人にとっては価値のあるものです。なのに、公の機関から「捨てる」という方法しか選べないような示唆をされて、1点幾らという役所規定による料金を払って廃棄させられます。リサイクル云々とうるさく言うなら、そこのところのフォローがあってもいいと思います。 随分前のブログだったのですが、最近も親の荷物の廃棄をして、同じような思いをしました。4年たっても同じ世の中です。 (2013.06.04 17:03:16) |