東京電力福島第一原発で高濃度汚染水を浄化する装置ALPS(アルプス)が中断した問題で、東電は30日、汚染水の処理を再開したと発表した。不具合は処理タンク内側の底に取り付けていたゴムパッドがはがれ、泥の排出口をふさいだことが原因だった。別のタンクも点検し、ゴムパッドのはがれはなかったため再開した。
アルプスは3月に試運転を始めたが、腐食などが見つかり処理を停止。27日未明に試運転を再開したが、処理の途中で出る放射性物質を含む泥の排出がうまくいかず、再開後22時間余りで処理を中断していた。
アルプスは汚染水から放射性ストロンチウムなど62種類の放射性物質を除去する装置。トリチウム(三重水素)は取り除けないが、保管時の危険性を大幅に少なくすることができる。