- [PR]
国際
【日曜経済講座】「貧富の格差」中国234倍 一段と深刻化 上海支局長・河崎真澄
12年の中国全体の世帯収入に対し、対象となった世帯の上位5%だけで23・4%の収入を得ていた。下位5%の世帯年収はわずか0・1%だった。「中国家庭追跡調査」と題するこの報告書では、上位5%と下位5%の世帯格差を234倍とし、「収入不平等レベルはかなり深刻だ」と危機感をあらわにしている。
所得上位25%の世帯で全体年収の59・0%との結果も出ている。富裕層または準富裕層に属する4分の1の世帯だけで全体の6割近い所得があるが、一方で、下位25%の世帯年収は3・9%にしかならず格差は歴然としている。
所得格差を示す指標として使われる「ジニ係数」は報告書では12年に0・49となっている。ジニ係数は数値が1に近づくほど、その国の格差が大きく、0・4を超えると社会不安が広がるとされる。中国国家統計局では、12年のジニ係数を0・474と公表しているが、報告書ではこれを上回る厳しい数値だった。
ジニ係数の国際比較で報告書は08年に日本が0・38、11年に韓国が0・42などと紹介し、いずれも中国よりも格差が小さいと指摘した。国家統計局はジニ係数を今年1月の会見で明らかにするまで、00年から公開を拒んできた。
一方、中国人民銀行(中央銀行)は昨年12月、10年段階でジニ係数が0・61に達したとの調査を発表し、関係者に衝撃が走ったことがある。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]