国際【日曜経済講座】「貧富の格差」中国234倍 一段と深刻化 上海支局長・河崎真澄+(1/4ページ)(2013.9.29 12:59

  • [PR]

国際

  • メッセ
  • 印刷

【日曜経済講座】
「貧富の格差」中国234倍 一段と深刻化 上海支局長・河崎真澄

2013.9.29 12:59 (1/4ページ)中国
中国世帯収入総額

中国世帯収入総額

 ■不満爆発と社会不安に懸念

 中国経済のアキレス腱(けん)である「貧富の格差」が一段と深刻化している。北京大学の中国社会科学調査センターの調べでは、世帯所得で上位5%の富裕層と下位5%の貧困層の年収格差が、2012年時点の全国平均で234倍に達した。2年前の10年段階の調査では129倍だった。既得権益層とも重なる富裕層の世帯所得の伸びが貧困層を大きく上回ったものとみられる。

 中国においては社会治安の維持が中国共産党による一党支配体制の基盤とされる。だが、経済格差の拡大は党や政府の幹部の汚職とも深くかかわり、大衆の不満爆発に直結しやすい。都市部では若者が運転するBMWやポルシェなど高級輸入車がわがもの顔で疾走し、自転車やリヤカーが粉塵(ふんじん)を浴びる異様な光景が日常的にみられる。中国の有識者は、「格差拡大がこのまま続けば何らかの事件を契機に貧困層による暴動が広がる懸念がある」と話している。

 北京大学の同センターが10年に、チベット自治区や新疆ウイグル自治区などを除く25の省級行政地区で、都市部や農村部を含めて約1万5千世帯(対象者約5万7千人)から個別に年間所得を調べ、さらに12年にも同じ世帯を追跡調査して増減をまとめた。

関連ニュース

  • [PR]
  • [PR]

[PR] お役立ち情報

PR
PR

編集部リコメンド

このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。
© 2013 The Sankei Shimbun & Sankei Digital