常磐道・富岡-浪江、来月から工事 中断全区間で再開へ
東日本高速道路は、東京電力福島第一原発事故に伴い、復旧・整備工事が中断していた常磐自動車道の常磐富岡-浪江インターチェンジ(IC)間の工事を10月から約2年半ぶりに再開する。同社が27日、発表した。除染が終了したため。広野-常磐富岡IC間では平成24年3月から、浪江-南相馬IC間では23年5月からそれぞれ工事を再開しており、原発事故後に中断した広野-南相馬IC間全てで工事が進むことになる。
常磐道では広野-常磐富岡ICが25年度内、浪江-南相馬IC間は26年度内、常磐富岡-浪江IC間は26年度から大きく遅れない時期の開通を予定している。
環境省による常磐道の除染結果も27日発表された。広野-常磐富岡IC間は124地点の測定点のうち1地点を除き、目標とする毎時3.8マイクロシーベルト(年間20ミリシーベルト)以下となった。
常磐富岡-南相馬IC間では、除染前に毎時3.8マイクロシーベルト~9.5マイクロシーベルト(年間50ミリシーベルト)だった約4.1キロの区間の506地点のうち、409地点で3.8マイクロシーベルト以下に下がった。
特に線量が高い常磐富岡-浪江IC間で、除染前に9.5マイクロシーベルトを超えていた約13.5キロの区間の172地点のうち、100地点で目標の9.5マイクロシーベルト以下に下がった。
同日、県庁で会見した環境省の担当者は目標値まで線量が下がらなかった地点について「工事現場に放置されている高線量を放つ工事資機材の撤去や舗装工事などで目標線量まで下がる」としている。舗装工事などの終了後、線量を再測定する。
同省は除染前の空間線量が3.8マイクロシーベルト~59.5マイクロシーベルト以下の地点は3.8マイクロシーベルト以下、9.5マイクロシーベルトを超える地点は9.5マイクロシーベルト以下を目標に、24年12月から25年6月まで除染を実施した。のり面は除草、路面は高圧水洗浄、橋は拭き取りなどで除染した。
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