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小磐梯山写真あった!

 明治21年の磐梯山噴火で消失した小磐梯山(こばんだいさん)の写る写真が、28日までに発見された。小磐梯山を描いた絵は現存しているが、写真が見つかったのは初めてだという。噴火前の「宝の山」の姿を知ることのできる貴重な資料で、磐梯山の地学研究などに取り組んでいる小野高平田校教諭の千葉茂樹さん(55)が入手した。29日、猪苗代町で開幕する日本火山学会の秋季大会で発表する。
 見つかった写真は縦6センチ、横9センチの名刺サイズ。明治の噴火前の磐梯山に関する資料を探していた千葉さんが昨夏、関東地方に住む写真収集家から譲り受けた。
 裏面には鉛筆で「猪苗代湖 北東より望ム景」、ペンで「明治13年頃 福島県猪苗代湖より北東を望む」と書き込まれている。明治10年代、猪苗代湖の遊覧船を撮影し、観光客に販売されたお土産用とみられる。
 背景にはうっすらと磐梯山が写っている。コンピューターで色や輪郭などを調整したところ、小磐梯山の姿が浮かび上がった。小磐梯山の山頂部の体積は、磐梯山とほぼ同じ大きさがあり、噴火のすさまじい破壊力を推測することができる。
 千葉さんは磐梯山の写る角度などから、同山の真南に当たる郡山市湖南町舟津地区で撮られたと特定した。同じ場所から磐梯山を写真に収め、小磐梯山を入れた合成写真を作成した。
 理学博士で磐梯山の噴火に詳しい拓殖大講師の竹本弘幸さん(55)=東京都=は「かつての磐梯山を知ることのできる一枚だ。噴火の威力やメカニズムを知る手掛かりにもなる」と話している。
 千葉さんは「写真に小磐梯山を見つけたときは震えるほど驚いた。さらに分析、復元を進め、磐梯山噴火の研究に役立てたい」と意気込んでいる。

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発見された写真(上)。黒枠内を拡大すると、船の奥に小磐梯山が見える(下)
発見された写真(上)。黒枠内を拡大すると、船の奥に小磐梯山が見える(下)

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