鉄道・バス・船1日乗車券、北九州で10月から実験
北九州モノレールや西鉄バス、JR九州などの公共交通機関が集中するJR小倉駅前。フリー乗車券で、これらの乗り物の利用が増えると期待される
北九州市で10月から、電車、バス、船舶など市内のほとんどの公共交通機関を利用できる「1日フリー乗車券」を導入する社会実験が行われる。JRや私鉄、公営企業などが幅広く結集するのは珍しく、「1枚で何でも乗れる」という利便性を売りに、観光客や市民の利用増につなげたい考えだ。
フリー乗車券で利用できるのは、JR九州、筑豊電気鉄道、西鉄バス北九州、西鉄バス筑豊、北九州高速鉄道(モノレール)、北九州市交通局、関門汽船の7事業者が運営する北九州市内エリア(福岡県中間市と山口県下関市の一部含む)の各路線。利用期間は10月12日〜12月8日の土・日曜、祝日の計20日間で、10月1日に発売する。値段は一般1500円(小学生750円)。
利用者が頭打ち傾向にある公共交通機関の良さを知ってもらうために結集したもので、北九州市では「観光の活性化にもつながる」と期待している。
北九州市では昨秋(9〜10月の20日間)、船舶を除く6事業者で同様の社会実験を行ったが、販売実績は2840枚と当初見込み(4000枚)を下回る結果に終わっている。再挑戦となる今回は、観光客の利用の多い関門汽船が新たに参加し、割引などの特典が受けられる観光施設も18施設から24施設に拡大した。
関門海峡を渡る船舶も使えるようになったことで、観光客に人気の門司港レトロ地区、巌流島(下関市)、水族館「海響館」(同)、小倉城、スペースワールドなどを巡るモデルコースの提案を充実させた。ただ、採算面を改善するため、価格は前年の一般1000円を1500円とするなど値上げした。
(2013年9月28日 読売新聞)