南信州広域連合の臨時会議でリニア中央新幹線環境影響評価準備書について説明するJR職員(奥)=飯田市追手町の飯田消費生活センターで
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南信州広域連合の臨時会議が二十六日、飯田市の飯田消費生活センターで開かれ、JR東海がリニア中央新幹線の環境影響評価(アセスメント)準備書について説明した。JR側は、飯田市などがリニア中間駅とJR飯田線を結ぶために望んでいる新駅建設について「考えていない」と述べた。
JR側は、自治体が建設費を負担して設ける請願駅については「地元から要望があれば検討することになる」とする一方、「飯田線に新駅を造った時、利用客の増加が見込めないのであれば、建設費だけでなく、運用の在り方も自治体と相談することになる」と説明。建設費だけでなく、駅の運営、管理などに掛かる費用も自治体負担になる可能性を示した。
これに対し、牧野光朗連合長(飯田市長)は「リニアで訪れた都市部の人が飯田線に乗ることを想定すれば乗客は増えるはず」と指摘。JRは「利用見込みが少なくなることもあり得るので、それも踏まえた検討になる」と話した。
会議では、リニア建設に伴う残土問題についても質問が集中。県内で発生する九百五十万立方メートルの残土の処理方法について、JRは「着工する二十六年度には遅くとも決まっていなければいけない」とした。また、残土の運搬費用はJRが負担するとしたうえで、「リニアの残土は量も多く、時期の制約もある。五十キロ以上離れた遠いところも検討の対象になる」とし、広い範囲で残土の処理地を確保したい考えを示した。
会議後、牧野連合長は「残土の運搬には生活道路を使うところもある。周辺住民に丁寧に対応することが第一だ。JR東海と協定などを結ぶことも必要になるのではないか」と述べた。
(西川正志)
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