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剣技一覧

示現流 (Zigen-ryu`)
 示現流はもともとは天真正自顕流と称しており、始祖は常陸の国の十瀬長宗。安土桃山時代に入ってその孫弟子が出家して京都天寧寺に入って善吉和尚と号した。そして、そこで豊臣秀吉の聚楽第造営の為に上洛していた島津義久に同行していた東郷重位に会い、天正真自顕流を授けた。東郷重位は薩摩に帰国し、更に修行して一流を開き、法華経中の「示現神通力」から示現流と名乗った。彼は薩摩において主流であった体捨流を打ち破り、示現流の地位を確固たる物にした。また、彼は碁盤切りのエピソードでも有名である。碁盤は盤面が平滑で刀身ははじき返されることが多く、更に粘りのある材質のため断ち切ることが難しいのだが、重位は見事両断し更に畳とその下の床板までも貫く威力を示した。この流派はその強力さ故に代々薩摩藩の門外不出の剣術とされており、他藩の者はこれを学べない。
 その理念は、初太刀にただひたすら己の「意地」と言われる気合いの全てをかけ、その後の相手の反撃などを一切考えずにひたすら示現流独特の叫び声「猿叫」をあげて切りかかるものである。そして「太刀行」と呼ばれる刀を振り降ろす速度をひたすら速めることに重点がおかれ、その最高速度は「雲耀」と言い、実に1回の脈拍8000分の1である。こうして敵よりも1秒の何分の一でも速く剣を振れば敵は切られて自分は切られない、と言う剣術で、しくじれば相手の反撃によって死ぬと言うのが当然という考え方の本に成立しており、その構えは最も斬撃の効果を高める「八双」の構えを極端にしたもの、すなわち「蜻蛉(とんぼ)」のみであり、「受け」や「よけ」には向いていない。しかし攻撃力は絶大で、その斬撃を受けた死体は全く無惨なものになると言われている。
 示現流の訓練法は独特で、太さ一寸、長さ三間程の細丸太を2、30本植え込み、4尺程の棒切れで疾風のようにその中を打って回ったり、木刀を蜻蛉に構えて4、5間の距離から立木に撃ち掛かり左右の袈裟を交互に打つ(熟練者は深呼吸1回の間に30回打つことが出来る)など、素朴なものが多い。また、熟練者は特に真剣よりやや重い400匁程のユスの自然木を木刀代わりに用いる。どちらにせよその稽古の中で面篭手や竹刀を用いる事はなく、そのようなものを見たこともないと言う薩摩藩士も沢山いるであろう。
 司馬遼太郎氏の小説の影響か、示現流には段位が無いと云う説もあるが、それは誤りである。実際の示現流には初度、両度、初段、二段、三段、四段と云う明確な段位が有り、修行はその段階に応じて行われる。初段以降は善吉和尚から教えられた剣技からなり、初度・両度は重位が自ら編み出した剣技で構成されている。
 示現流は薩摩藩御留め流なので、門弟はことごとく薩摩藩上級武士で、幕末においては「桜田門外の変」に参加した有村次左衛門がいる。ちなみに、薩摩においては示現流以外にも、示現流の分派である薬丸自顕流、直心影流、天真流、太刀流、飛太刀流、常陸流、水野流居合術、山之内流居合術がある。


〜門人(1レベル)〜

【蜻蛉】 (Tonbo)
種類: 構え
効果: ダメージ+剣技レベル×2。此の構えをしている間は、「受け」不可能。相手は「受け」不可能。
使用武器:
説明:  蜻蛉の構えは左足を前に出し、剣を持った右手を耳の辺りまで上げて、左手を軽く添えるという八相に似た構え。その特徴は左肱をそこから少しも動かさない「左肱切断」によって手元を動かないようにして、右手だけであたかも石を投げるように相手に向かって剣を振り降ろすことによりより速い斬撃を送ることができることにある(なお他の流派では剣を支える軸になるのは左手の小指であり、この点は現代の剣道でも変わらない)。また構えるとき刀の刃を体の外側に向けて置き、捻り打ちに打ち下ろすため、斬る力が強いが、高度な技術が必要である。
 欠点としては、刀を振り切ってしまう為に、攻撃後に隙が出来てしまう事が挙げられる。
 室内に於いては左腰の前に刀身を水平に突き出す「捨て蜻蛉」、同様に右腰に刀身を出した「置き蜻蛉」のどちらかを用いるが、効果は同じである。

【再起】 (saki)
種類: 防御
効果: 1ターンに2回「受け」可能。また、自分が【蜻蛉】の構えを取っている場合には、自分に科せられる「受け」不可のペナルティを打ち消す事が出来る。
使用武器:
説明:  複数の敵を相手にした場合を想定して作られたといわれている型。
 初度で教えられる。

【燕飛】 (Enpi)
種類: 特殊
効果:  1シナリオで1回のみ使用可能。
 自分の剣技レベルに1D6を足したレベル以下の剣技から、一つを使用する事が出来る。
 つまり、自分の剣技レベルが2で、1D6の出目が4であった場合、「免許皆伝(6レベル)」以下の剣技を使用できる。この効果は1ターンだけである。
使用武器:
説明:  示現流の最初の段階の修行である「初度」で、最初に学ぶ組太刀。
 基本的な修行だが、示現流の全ての技の要素を含んでいると云う。

〜切紙(2レベル)〜

【猿叫】 (Enkyou)
種類: 特殊
効果:  相手は抵抗力+精神抵抗で目標値20の判定を行う。失敗すると、相手はMPを1D6失う。
 此の声は相手が耳栓をしていたり、或いは最初から耳が聞こえない等の場合には効果を発揮しない。
 此の剣技は、併用しても一切ペナルティを受けない。
使用武器:
説明:  「ちぇーい」、「きぇー」等の甲高く尾を引く叫び声を上げつつ吶喊し、相手を怯ませる技。

【三ツ太刀】 (みつたち)
種類: 攻撃
効果: 二回攻撃。その際、攻撃対象は二体でも一体でも構わない。
使用武器:
説明:  複数の敵を相手にした場合を想定して作られたといわれている型。
 【再起】と同じく初度で教えられる。

〜初伝目録(3レベル)〜

【雙】 (Sou)
種類: 攻撃
効果: 命中値+2
使用武器:
説明: まず蜻蛉の構えで相手と対し、間合いの外で踏み込んで打つ。そして相手がそれにつられて刀を動かした所を打つ技。

 

【追篭】 (Oikome)
種類: 攻撃
効果: 相手を剣技レベル/相手の人数mだけ後退させる。士気の低い敵はそれだけで逃走を初めてしまう(この辺の判断はGMの裁量)。攻撃と併用すると、対象は単独になるが、相手を剣技レベルmだけ吹き飛ばし、相手を転倒させる事が出来る。
使用武器:
説明: 相手に気合いを掛け、怯ませる技。

 

【寸】 (Sun)
種類: 攻撃/防御
効果: 狭い所で戦う不利な修正を無視できる
使用武器:
説明: 狭い所に追い詰められた時、身を縮めて相手の太刀をかわして、なおかつ切り合う技。狭い所で戦う事、又身を縮めて戦う事から「寸」の名が付いた。

〜目録(4レベル)〜

【重切】 (Zyu^setsu)
種類: 攻撃
効果: ダメージ+2D6
使用武器:
説明: 太刀を肩に担いでそこから腰を据えて振り下ろし、全体重をかけた威力のある斬撃を送る技。

 

【立】 (Ryuu)
種類: 居合
効果: 装甲値無効、相手は「受け」不可能。
使用武器:
説明: 「抜き即斬」、即ち抜いた時には斬っていると言われる示現流独特の居合術。両踵を揃えた直立の姿勢から敵を見据えつつ爪先で立ち、同時に左掌を刀の鍔際に下から当て、右掌を塚の鍔口に当て、刀を押し回し刃を下にして右手で柄を握る。左手は鯉口に当てて、右足を大きく踏み出しつつ腰を後ろに捻り、右肘は柄頭に乗せて、肘で相手を突き飛ばす勢いで刀を抜きつつ、相手の股下から頭上まで切り上げる。刀を抜く瞬間に左膝をつき、重心を前に出し、切り上げる効果を高める。この時刃は真上を向いているのが望ましいが、乱戦にあっては幾らか斜め右上を向いていてもよい。また切っ先は左後ろを向いており、刀の鍔から切っ先に至る刀の峰の後ろに自分の左右の肩が入るのが理想の姿勢である。切り上げるときには右手の手先から肘までが柄に乗っている姿勢であれば、手首の返しが良く、技が冴える。この技は相手を甲胄武者と想定しての居合術である。低い姿勢から防具の無い内股を狙う為、鎧武者に対しては有効だが、平服の相手には些か動きが鈍いかも知れない。

〜本目録(5レベル)〜

【行】 (Kou)
種類: 攻撃
効果: 剣技レベルm跳躍して攻撃する技。ダメージ+2D6。攻撃後、再び剣技レベルm跳躍する事も可能。
使用武器:
説明: 一息の間に3間(9.9m)を跳躍し、相手を奇襲する技。

 

【安】 (An)
種類: 攻撃
効果: 命中値+3
使用武器: 刀、太刀
説明: 敵の動く先にポンポンと心安く刀を当てて、相手の動きを牽制し、隙を創り出して斬る技。

〜免許皆伝(6レベル)〜

【意地】 (iji)
種類: 攻撃
効果: 相手の使用した「防御」系剣技を全て無効化する。但し、「奥義」レベル(8レベル)の防御剣技には効果は無い。
使用武器:
説明:  示現流における内省の工夫を意地と云う。その理念は「二の太刀要らず」と云われる程の攻撃偏重である。

【道】 (Dou)
種類: 攻撃
効果: 命中値+4
使用武器:
説明: 刀を思い切り振り上げる様に見せかけて、途中でいきなり振り下ろすフェイント攻撃。「道」とは今と昔、天と地の中間にあるもの、と言う言葉にちなんでこの名が付いた。

〜指南免許(7レベル)〜

【雲耀】 (Unyo^)
種類: 攻撃
効果: ダメージ+3D6、射程距離は剣技レベル×2m。
使用武器:
説明: 示現流では手の脈が四回半鼓動する間を「分」と言い、分の1/8を秒、秒の1/10を糸、糸の1/10を忽、忽の1/10を「雲耀」と云う。即ち、一回の脈拍の約1800分の1の早さである。
 雲耀とは稲妻の事であり、その速さは硬い板の上に薄紙を置き、それを研ぎ澄まされたきりで貫く速さであると言う。雲耀の速さに達した太刀はあらゆる物を斬り裂くが、それ程までの速さには達せずとも強力な斬撃を送り、その剣圧をもって遠距離の相手をも斬るのがこの技である。これほど強力な【雲耀】だが、この攻撃ですら真の「雲耀」ではない。大抵の使い手は雲耀を称していても実際には糸か忽程度である。真の雲耀の太刀の破壊力は計り知れないものがあるというが、その境地に達したのは開祖東郷重位のみである。重位は三寸の間隔を置き二寸角の格子がはまっている格子窓の格子の間に木刀を入れて、「ちぇーい」と気合いを掛けたところ、格子が一本折れた。「ちぇーい、ちぇーい」と二度気合いを掛けると、格子は二本折れ、三度気合いを掛けたところ三本の格子が折れたと言う。木刀を動かさず、気合いで格子を折ったのだ、と言われている。

〜奥義(8レベル)〜

【真雲耀】 (Shin-unyo^)
種類: 攻撃
効果: ダメージに命中判定の差分値の二倍の数のD6を振り、其の数値を加える事が出来る。射程距離は剣技レベル×4m。また、次のターンには「受け」しか出来ない。
使用武器:
説明: 示現流奥義。【雲耀】の上級技。本当に雲耀の速さに達した太刀は、強力な破壊力を誇る。

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