【ワシントン=矢沢俊樹】オバマ米大統領は27日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、2014会計年度の暫定予算や債務上限問題への対応を巡り、野党・共和党が求めている医療保険改革延期などの修正に応じない考えを示した。米議会上院は同日、医療保険改革法関連の支出を含む暫定予算案を可決した。下院が可決した予算案はこの支出を削除している。連邦政府の閉鎖回避に向けた30日の決着期限をにらみ、ぎりぎりの調整が続きそうだ。
上院は同日可決した暫定予算案で、下院が今月20日に可決した予算案に盛り込んでいた医療保険向け予算の執行停止条項を削除。11月15日までの歳出を認める内容で、再び下院にボールを投げかえした格好だ。
議会が30日中に暫定予算を通さないと省庁など政府機関が閉鎖に追い込まれる。共和側は予算と引き換えに医療保険改革で個人に対する保険加入義務導入の延期など抜本修正を迫っているが、オバマ氏は「制度の骨抜きや廃止には応じない」と明言。妥協を拒む考えを強調した。
予算協議の次に控える10月中旬までの債務上限引き上げ問題でも、米国債の信認が揺らぎ基軸通貨ドルの立場を危うくすると主張。「政府閉鎖よりはるかに危険だ」と引き上げを渋る共和の対応を批判した。
一方で「共和に医療保険の改善につながる具体的な案があるなら民主的手続きに沿って検討したい」とも述べ、一定の譲歩は否定しない姿勢も示した。
民主上院のリード院内総務は下院が予算案を再々修正した場合は政府閉鎖に突入せざるを得ないと警告した。ただ、野党が多数派を握る下院は意見がまとまっていない。保守派グループの「茶会党」系など政府閉鎖もやむなしとの強硬路線と穏健派の意見が対立。下院のベイナー議長も立場を明確にしていない。
議会内では緊急措置として1週間程度の小幅暫定予算を通し協議時間を確保するといったつなぎ案も浮上している。ただ、週末に大きな進展は見込めないとの見方が多く、週明けの30日夜に向けた瀬戸際の攻防になる可能性がある。
シャットダウン突入の恐れが強まってきたのを受け、省庁も準備を急いでいる。米商務省は閉鎖中、経済統計の発表は行わない方向だ。
オバマ、医療保険、ホワイトハウス
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