米リメーク決定を喜んだ後列左から尾野真千子、福山雅治、リリー・フランキー、真木よう子、前列左から子役の二宮慶多、黄升ゲン、押場大和、滝沢美結=東京・新宿【拡大】
5月のカンヌ国際映画祭で、日本映画26年ぶりとなる審査員賞に輝いた「そして父になる」が、今度はハリウッドでリメークだ。
この日、DW社と契約を交わしたばかりの是枝監督が、滞在中の米ロサンゼルスから国際電話で舞台あいさつ会場に吉報を報告。スピルバーグ監督と握手を交わす写真がスクリーンに映し出されると、客席から盛大な拍手がわき起こった。
スピルバーグ監督からは「カンヌで初めて見たとき、パワフルな人間ドラマに非常に感銘を受けた」というメッセージも送られた。舞台あいさつに立っていた福山は「監督、おめでとうございます。大変うれしく光栄に思います」と大感激だ。
同作は、6年間育てた息子が出生時に取り違えられていたと知り、葛藤する家族の物語。今年のカンヌ国際映画祭の審査委員長を務めたスピルバーグ監督は「感動的でボロボロ泣いた」といい、DW社でリメークの交渉を進めてきた。
気になるキャストや製作・公開時期は今後決めていくが、DW社では1998年の映画「リング」を米リメークしてヒットさせた実績があるだけに、期待がかかる。
福山は「いや~どんな風にリメークされるのかね」、共演のリリー・フランキー(49)も「自分の役をどんな方がやられるのか」と興味津々だ。
この日夕には、スペインで開催されたサンセバスチャン国際映画祭で、「そして父になる」が観客賞を受賞するニュースも飛び込んだ。
すでに世界230カ国・地域での配給も決定している同作。福山は壇上で世界的な評価を喜ぶ一方、「この映画は子供たち(の自然な演技)に導かれて作った映画です。作為的ではない部分が多くの人に評価されたんだと思います。子供たちのおかげです」と共演した子役たちに感謝した。
(紙面から)