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◆◇日本は破綻しない―その理由◇◆
ライター:rnhkc972さん(最終更新日時:2013/2/17)投稿日:2012/2/21
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「日本は借金大国」
「日本は数年で破綻する」
こんな言葉をしょっちゅうテレビや新聞で目にすると思います。
しかし、現状の日本においてこれらは明らかにウソと言える部分が多いのです。
その理由を説明していきます。
※アドバイスをいただいたことについては、
◆◇日本は破綻しない―その理由◇◆その2を作成しました。ぜひ読んでみてください。
破綻しない理由(箇条書きでの一覧)
時間がない、読むのがめんどくさいという方のために簡単に日本が破綻しない理由を箇条書きで書いておきます。
・日本はお金を印刷できる
そして、日本政府の発行する国債は、ほぼ100%円建て
→いざというときはお金を印刷して借金を返済できます
・世界一の対外純債権国である
日本は、世界一の金額である240兆円もの対外純債権を持っています
→これは国全体で見ると、世界一(240兆円)、資産のほうが多いことを意味します。
このグラフの「合計」の「資産と負債の差額」が240兆円で、それが世界一ということです。
→上のグラフで見れば、資産と負債の差が少ないように見えますが、実は、国全体(政府・企業・家計)で見れば負債が増えるスピードより、資産が増えるスピードのほうが速いのです。
つまり、上記のグラフの合計の「資産と負債」の差額である「240兆円」という金額が毎年大きくなっているということです。
ここからは、上の項目について1つずつ詳しく説明します。
日本はお金を印刷できる
まず、日本政府が発行する国債はほぼ全て「円建て」。つまり、政府が「円」でお金を借りているということなのです。例えば、アメリカなどから「ドル」でお金を借りた場合、「ドル」で借金を返さないといけません。
為替相場が大きく変われば、借金が何倍にもなってしまうことがありえます。
しかし、日本の借金は「円」ですので、そういったことが起きません。
しかも、国債はほとんどが国内で消化されています。
そして、日本には円を発行する権利があります。
これは、いざとなれば円を印刷して借金を全額返済できることを示しています。
つまり、この時点ですでに日本の破綻は100%ありえません。
インフレにはなりますが、工業先進国でハイパーインフレが起きることは考えられません。
工業先進国の場合、需要が大きく増えても供給をすぐに増やすことができるからです。
(ハイパーインフレは、基本的に1年で13000%以上のインフレを指します。
ですが、終戦直後でさえ300%のインフレしか起きませんでした)
世界一の対外純債権国である
しかし、いくらお金を印刷できても、国債の信用が落ち、結果的に高インフレになれば「事実上の破綻じゃないか」と思われるかもしれません。
ですが、そもそもそのような状況に陥ることも考えにくいのです。
(当然、円の暴落自体が考えにくいです)
なぜなら、日本は世界一の対外純債権国だからです。
対外純債権額(「外国に貸しているお金」から、「外国から借りているお金」を引いた金額)は、
約240兆円で、これは世界一です。
実はこれは、「国全体(政府・企業・家計の合計)の金融資産が、国全体の負債よりも240兆円多い」ことを意味します。
その金額が世界一なわけですから、世界一資金的に余裕がある国ということになります。
なぜそうなるかを説明します。
ですがそもそも、テレビで言われるように
「『政府の借金が1000兆円』で『家計の資産が1400兆円』だから、
日本の金融資産と負債の差額は『400兆円』じゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、よく考えてみればこれは「政府の資産と、企業の資産」を全て無視していますよね。
さらに「企業の借金や、家計の借金」も無視しています。
国の本来の姿を見るには
「政府・企業・家計すべての金融資産の合計」と
「政府・企業・家計すべての金融債務の合計」を比べないといけません。
詳しく説明します。
まず、
「誰かの借金=誰かの資産」ですよね?
なので、外国とのお金の貸し借りを除いて、日本国内に限って見れば、
「政府・企業・家計すべての資産」
「政府・企業・家計すべての負債」との金額はピッタリ一致します。
例えば、政府に金を貸しているのは94%が国内の金融機関等です。
つまり、政府の借金1000兆円は、金融機関から見れば約1000兆円の資産となり、
日本国全体で見ればプラスマイナスゼロとなります。
つまり、資産も1000兆、負債も1000兆、となります。
企業と金融機関の貸し借りでも同じで、企業が金融機関から1億円を借りたとすると、
企業から見れば1億円の負債、金融機関から見れば1億円の資産となります。
国全体で全て合わせてしまえば結局、資産と負債の金額は一致するのです。
具体的に、海外とのお金の貸し借りを除けば
政府・企業・家計の資産の合計:5000兆円
政府・企業・家計の負債の合計:5000兆円 ほどであり、金額が一致します。
そこに、政府・企業・家計の海外とのお金の貸し借り、
対外債権(外国に貸しているお金)の合計 :500兆円
対外債務(外国から借りているお金)の合計:260兆円 を加えて合計すれば…
最終的に、国全体で、
- 政府・企業・家計の資産の合計:5500兆円
政府・企業・家計の負債の合計:5260兆円 であり、
資産のほうが240兆円多いのです(この金額が世界一)。
(政府の負債「1000兆円」は、その一部分に過ぎません。)
国の対外純債権額(外国に貸しているお金から、借りているお金を引いた金額)=国全体の金融資産と負債の差額となるのです。
上にも貼りましたが、部門別に、資産と負債を表したグラフがこちらです。
※「日銀/資金循環・主要部門・取引項目残高表」を基に作成しています。
借金は企業にも家計にもあるし、資産は政府にも企業にもあるんです。
それを無視して考えるのは全くの間違いとしかいいようがありません。
経常収支が黒字である
「資産のほうが240兆円多い」と言われても、毎年40兆円も国債を発行していればすぐにお金が足りなくなってしまう…と思われるかもしれません。
しかし、実はこの「240兆円」という金額は毎年大きくなっています。
つまり、資産のほうが増えるスピードが速いのです。
数年前までは、150兆ほどでした。
そもそも、銀行が持っているお金の多くは、私達国民や企業の貯蓄です。
政府が40兆円国債を発行して金融機関からお金を借りたとします。
政府は、そのお金をまた国民の社会保障や公共事業、企業支援などに使います。
そうすると、結果的にお金が国民や企業に戻ってきます。
つまり、政府が国債を発行して40兆円借金を増やしても、それは「家計や企業などの民間」に対する予算として使われるわけですから、結局「民間の資産も40兆円増える(あるいは借金が減る)」ことになるのです。
(現在は、どちらかというと企業が借金を減らしている傾向が強いです)
そして、国民にそのお金が回ってくれば消費に使う、あるいは貯金するでしょう(子ども手当・定額給付金などが考え方としてはわかりやすいと思います)。
それが消費に使われれば、企業の売上となり、それはまた国民の給料となったり、企業の資産として銀行に預けられるでしょう。
そして、その給料のうち、また一部は貯金されるでしょう。
このようにして、政府が最初に金融機関から借りた40兆円は
いつか回りまわってまた金融機関に戻っていくのです。
国民→銀行→政府→国民→銀行…
という流れがずっと続くわけです。
つまり、政府が借金を40兆円増やせば、民間側の資産が40兆円増える(あるいは借金が減る)のです。
要するに、国全体で見れば政府の借金が増えると同時に同じ金額の資産がどこかで増える(借金が減る)のです。
これだと、「資産も負債も同じスピードで増える」ことになります。
しかし、最初に書いたように、日本国全体で考えれば負債が増えるスピードより資産が増えるスピードが速いんです。
なぜなら、経常収支が黒字だからです。
上に書いたように、日本は「外国にたくさんのお金を貸している国」です。
ですので、外国からたくさんの利子や配当金などが入ってくるんです。
もちろん、借りているお金もありますが、貸している金額のほうが大きいので日本にはたくさんのお金が入ってきます。
こういった利子や配当金などの外国との収支を「所得収支」と言います。
そして、貿易収支や所得収支などを全て合わせたものを「経常収支」といいます。
震災の影響等で貿易収支は赤字になりましたが、上の所得収支の黒字が大きいので
合計で見た「経常収支」は一年で4兆円という黒字なのです。
これは、「外国に出ていくお金」よりも「外国から入ってくるお金」のほうが
4兆円だけ多いということですから、どんどん日本の資産が増えていくのです。
すると、さきほどの
政府が国債を40兆円増やせば、民間側の資産が40兆円増える(あるいは借金が減る)
という話と
経常収支が4兆円の黒字だということを、合計すれば、
「国全体では借金は40兆円増加したが、資産は44兆円増加した」となるのです。
なので、結局「経常収支の黒字分」が余分に「資産」として毎年毎年増え続けるのです。
(ギリシャは経常収支赤字国ですので、これと逆のことが起きます。)
そのように資産が増え続けていることに加えて、民間の需要不足が大きいことなどによって、銀行は大きな金余りを起こしています。
国内の銀行では、「預金額」が「(企業などへの)貸出額」を160兆円ほど上回っています。つまり、銀行側からすれば「そんなにたくさん貯金されても、借りてくれる人がいないよ」という状況なのです。
銀行は、国債を買うよりも企業にお金を貸したほうが金利が高いので儲かります。ですから当然、企業などへできるだけ貸しだそうとしますが、それができないため160兆円も差がついているのです。当然、銀行はその分を別の方法で運用しなければなりません。
それが国債の需要となるのです(当然、国債に限られるわけではありませんが)。
そういったことを含めて、財務省は自ら「日・米などの自国通貨建て国債のデフォルトはありえない」と宣言しています。
http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
つまり、民間にお金が余っているところから、政府がもっと国債を発行してお金を強制的に回してやる必要があるのです。
「金利が低い」というのは「お金が余っている」ことを意味します。
余っているお金は、使わないと景気回復が回復できません。
ギリシャと日本
ギリシャと日本を比べる論調が、テレビや新聞などで見られますが、まったくおかしいとしか言い様がありません。
ギリシャだと、ユーロを発行できないだけでなく、国債の7割が外国によって消化されています。
さらに、経常収支は赤字で、共通通貨建ての国債ですから日本とは真逆です。
それに、ユーロはギリシャに返ってくるとは限りません。
より信用のあるドイツやフランスに流れていくのが自然でしょう。
日本とギリシャを並べて比べること自体がおかしいのです。
最後に
説明中に出てくる金額は分かりやすいように四捨五入したり、説明のしやすさを優先して最新のデータを使わなかったりしていますので、正確な数字を見たい方は下のリンクを見てください。また、この説明は基本的に「今の状況が続くなら」ということを前提としています。
特に、日本の経常収支黒字です。私は、日本が経常収支赤字国になることは当分ないと思っていますので、この説明を書かせていただきました。
(経常収支が赤字でも、成長によって富が生み出されれば国内金融機関のみで自国の国債を支えることは可能ですが…)
当然、今後の出来事次第では状況が変わることも想定されます。
しかし、相対的に見て現在日本がとても破綻しにくい国であるということでこの知恵ノートを書いています。
(それゆえに、「ドルが不安だ」「ユーロが不安だ」となると「円買い」が起きるのです)
また、ここに書いてあることを出来るだけ拡散したいと思っていますので、この知恵ノートにリンクしていただいたり、ここに書いてあることを知恵袋で回答したり…していただければと思います。
そして、「役だった」「なるほど」と思っていただけた方、また「この情報を広めたい」と思った方はぜひ「役に立ったボタン」を押していただければと思います。
また、このノートのアドバイスに質問まがいのことや自分の意見を書くのはやめてください。ぜひ、回答リクエストをお願いします。
上にも書きましたが、アドバイスをいただいたことについては、
◆◇日本は破綻しない―その理由◇◆その2を作成しました。ぜひ読んでみてください。
参考ソース(一次ソースです)
日銀・資金循環
http://www.boj.or.jp/statistics/sj/index.htm/
内閣府・国民経済計算
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/kakuhou/kekka/h21_kaku/h21_kaku_top.html#c3
過剰貯蓄の記述に関するソース
http://www.boj.or.jp/statistics/pub/sk/data/sk2.pdf
http://www.boj.or.jp/statistics/pub/sk/data/sk1.pdf
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