阪神先発の藤浪=ナゴヤドーム(撮影・鳥越瑞絵)【拡大】
た。2007年の楽天・田中に並ぶ高卒新人の11勝目もまたもおあずけに。2けた星を挙げた、8月31日の広島戦(甲子園)以来ひと月近く勝ち星から見放されている。
だが、この日の内容ならば、のるかそるかの10月のマウンドも託すことができる。中西投手コーチは「きょうは変な力みもなくバランスも良かった。もう少し長いイニングも投げられた。前回に比べたら良かった」と復調を感じ取っている。
クライマックスシリーズ(CS)では、広島とのファーストステージで1勝1敗となった場合の第3戦を任される見込みだ。
プロ1年目のレギュラーシーズン最終登板となる次回は、桧山の引退試合となる10月5日の巨人戦(甲子園)に先発することになる。この日、八回に同点の押し出し四球を選んで、黒星を消してくれた大先輩への“恩返し”を含め、絶対に負けられない戦いは、もうすぐに始まる。
「状態が上がったというより、元の状態に戻っただけなので。特に何もないです」
藤浪自身が手応えを取り戻しているのが、何よりも心強い。正念場へ向けて、黄金右腕が、また輝きはじめた。(長友 孝輔)
(紙面から)