ラウンド後、子ども達とのふれあいイベントで笑顔を見せる穴井詩=宮城・利府GCで(武藤健一撮影)
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◇ミヤザキTV杯ダンロップ女子OP<第2日>
▽28日、宮城県・利府GC(6498ヤード、パー72)▽晴れ、気温20・4度、風速5・7メートル▽賞金総額7000万円、優勝1260万円▽108選手(うちアマ3人)▽観衆6704人
硬くて速いグリーンと気まぐれな秋風に上位陣のスコアが伸び悩む中、初日14位の穴井詩(あない・らら、25)=GOLF5=が3連続を含む5バーディー、3ボギーの70で回り、首位と2打差の通算1アンダー4位に浮上した。プロ野球の広島・前田健太投手似といわれるプロ6年目。逆転で悲願のツアー初Vを目指す。3アンダー首位はイ・ナリ(25)=韓国=とテレサ・ルー(25)=台湾=の2人。宮里藍(28)=サントリー=はイーブンパーの6位に後退した。
飛ばし屋の“女マエケン”が、V戦線に参上した。風もいっそう強くなったこの日の終盤、足踏み状態のリーダーボード上を、穴井の名前がスルスルッと4位まで駆け上がった。
出だし1、2番は連続ボギー。しかし、14番からの3連続バーディーで一気に優勝戦線へ。最終18番・492ヤードのパー5では、持ち前の飛距離で「ピンまで233ヤードの第2打を7番ユーティリティー(ロフト24度)で打って、グリーンオーバーさせた」。だが、1メートルに寄せて楽々バーディー。首位と2打差の位置で2日目を終えた。
「ホントによく、似てるって言われます」と穴井。似ている相手はプロ野球・広島で初のクライマックスシリーズ進出の立役者となった、マエケンこと前田健太投手。この日のゴルフはまさに立ち上がりでつまずきながらも、要所で三者三振、そして完投勝利を挙げたかのような展開。穴井は「私は中日ファンなんですけど、前田さんのことは気になります。ライバル協定結んでる成田美寿々はマー君(楽天・田中将大投手)似だし」とまで付け加えてくれた。
昨年10月の富士通レディース、今季8月のニトリレディスと、単独首位で最終組を迎えた経験が2度。しかしいずれも逆転負けを食らい、2位と7位に終わった。今回は追われる方でなく、追う立場。「気楽にいけますね。ここはフェアウエーをキープしないと話にならないけど、飛ばし屋有利だとは思う。私こう見えてもバーディー合戦より我慢大会が好き。基本的にバーディーパットが入らないので(笑)」と肩をすくめた女マエケン、念願のツアー初Vは逆転で決めてみせる。 (月橋文美)
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