最初の30分間は圧倒的なグランパスのペースだった。前線に永井、中盤に磯村が入り、闘莉王が戻って、前節とは見違える出来でスタート。相手ゴールに近い場所でボールを奪って、ほとんどの時間を敵陣でプレーした。
なぜ、そのプレーが続けることができなかったのか。圧倒的に攻めながら、カウンターで先に点を取られて、流れが変わってしまうことはサッカーではよくあることだが、悔やまれるのは、攻撃をシュートで終わらせることができなかったことだ。
いい形でボールを奪い、いいテンポでパスを回した。ただし、最後に点を取るアイデアが乏しかった。30分攻め続けながら、決定的なチャンスは、ケネディがヘッドを外した場面の1度だけ。ほんの少しパスがズレただけという場面もあったが、2人目、3人目が効果的に飛び込んでいく攻撃はほとんどなかった。
川崎の1点目は、クリアボールが、そのままカウンターになった。不運な要素もあったが、分厚く攻めて点が取れないまでも、シュートで終わっていれば、相手にチャンスを与えることもなかった。 (愛知東邦大監督、元グランパスDF・藤川久孝)
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