京都・祇園の中国系クラブ(閉店)で、中国人ママやホステスが、複数の先端技術系企業の幹部や技術者から、最新の企業情報を収集していた可能性が高いことが分かった。「月刊中国」の発行人である鳴霞(めいか)氏は「東京や大阪などのクラブや、自衛隊基地などがある地方都市のスナックにも、中国人スパイは入り込んでいる」と語っている。
関係者によると、祇園のクラブは2007年、中心地の雑居ビル2階にオープン。7、8人のホステスが在籍し、最低でも1人2万円以上の料金がかかる店だった。ママの親族が中国共産党幹部との情報もある。
鳴霞氏は「祇園だけじゃない。銀座の高級クラブに、中国人民解放軍幹部の令嬢が在籍しているという話は有名。『国会議員や大企業幹部に接近している』といわれる。渋谷にも、中国・国家安全省の拠点があり、自衛隊や先端技術の情報収集をしている。特に、リニア新幹線の技術は危ない。大阪にも同様の飲食店はある。札幌や仙台、名古屋、福岡、那覇など、日本の至る所に中国人スパイは潜り込んでいる」という。
これは、中国の特異な情報収集法が関係している。
米CIAや英MI6のように、訓練されたスパイが情報収集するのではなく、中国では普通の人々が、世界中のいろんな所に潜り込んで雑多な情報を集め、それを本国で分析するスタイルなのだ。つまり、ホステスだけでなく、留学生や在留中国人にもスパイが紛れている。鳴霞氏はいう。
「国から奨学金をもらって来日している留学生などは『すべての情報を上げろ』『国家に協力しろ』と指令を受けている。月に数回、集めた情報を報告しなければならない。国家機密や先端技術に関わる人は中国系クラブには出入りしない方がいい。行っても身元を明かさず、重要な話はしないことです」