中国系クラブが入居していた雑居ビル。多くの先端技術企業の社員が出入りしていた=6月、京都市東山区(一部画像処理しています)【拡大】
古都の風情が漂う京都一の歓楽街で、産業スパイ疑惑が浮上した。複数の先端技術企業のエンジニアらが常連として名を連ねていた中国系の高級クラブ。自衛官による偽装結婚事件の関係先にもなった店で集められた企業情報はいったい何に使われたのか。
同店が入居していた雑居ビルは観光地の八坂神社(京都市東山区)に近く、大通りから1本入った路地にある。繁華街の一角だがネオンは少なく、人通りもそう多くはない。黒色の重厚なドアが特徴的だった同店は閉店し、ひっそりとしている。同店のママを知る関係者は「美人で人懐っこく、高級だが法外な価格ではないため通いやすい店だった」と話す。
店の常連は企業関係者だけではない。同店の中国人ホステス(32)と偽装結婚したとして逮捕されたのは陸上自衛官(53)=懲戒免職。ホステスから在留資格を得たいと相談され、自衛官を紹介したのはママだった。
中国当局によるとみられる企業を標的とした最新技術の情報収集活動は近年活発さを増している。