みずほ銀と“反社”の黒い取引…「半沢」で話題の金融庁検査で発覚

2013.09.28


ドラマのようなことが実際に起きていた。写真はみずほ銀行本店=27日夜、東京都千代田区【拡大】

 みずほフィナンシャルグループの傘下2行が7月に合併し「創業的出直し」(グループ首脳)を誓ったはずの新「みずほ銀行」で、暴力団関係者など反社会的勢力との不適切な取引が発覚した。その不正を突き止めたのは、人気ドラマ「半沢直樹」で話題となった「金融庁検査」だった。ドラマでは主人公の銀行員・半沢が身を挺しながら危機的局面を乗り切ったものの、みずほ銀の場合は事態を把握しながら放置するその悪質性から、業務改善命令という重い処分を受けることになった。

 問題の融資は、みずほ銀の系列信販会社オリエントコーポレーションなどが仲介した自動車ローン。計約230件、総額2億円超に上る反社会的勢力との不適切な取引を2年以上も放置。これには金融庁も黙ってはいなかった。

 政府は、各業界団体に金融取引や高額商品の販売などの契約の際に相手が反社会的勢力に所属していないことを確認する約款を交わすことを要請している。現在では暴力団組員らは金融機関から融資を受けられず、銀行口座も作れない。

 今回の取引は反社会的勢力に積極的に資金を融通したものではなく、警察庁幹部は「相手が反社会的勢力と判明した段階で取引を停止するなど適切に対処していれば、大きな問題にはならなかった」と指摘。金融庁幹部も「事後処理が適切でなかった」と説明している。

 銀行と反社会的勢力をめぐっては、みずほ銀の前身である第一勧業銀行が総会屋に利益供与していた事件が1997年に起き、社会的な問題となった経緯がある。

 みずほ銀は、住宅ローンを契約したり、自行の預金口座を開設したりする場合は、顧客の属性を調べる事前の審査によって反社会的勢力を排除している。しかし、提携ローンに関しては信販会社が顧客の事前審査をしており、銀行は事後に審査をしているだけだ。

 今回は事後審査で反社会的勢力との取引を把握しながら、担当役員で情報が止まり、放置していたことが問題となった。

 「半沢直樹」でも経営首脳に不正情報が届かない情報伝達の不備が描かれたり、反社会的勢力が支援先企業の取引先で登場するなど類似点は多く、ドラマのようなことがメガバンクで起きていたといえる。

 警察庁幹部は「暴力団排除条例が全国で整備されて経済活動が制限され、暴力団組員らが減少するなどの効果が出てきたが、今回は暴排気運の高まりに水を差す行為ともいえる」と指摘する。みずほ銀はこの声をどう聞くか。

 

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