憤怒レポート第4弾 不平不満はすべて「手当」でカネに 地方公務員の「役人天国」にメスを!

2012年01月20日(金) フライデー

フライデー経済の死角

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 日本経団連の調査では、会員企業の持家援助の平均は月約595円である。東京都の手当はその15倍近い。西宮市は格段に高く1万3000円というから驚く。

 すでに廃止された特殊勤務手当を見ても、よくもここまで細かく手当を付けたものだと呆れ返るばかりだ。例えば「ゲロ処理手当」。駅や電車の中で酔っぱらいなどが吐いた吐瀉物を掃除すると1回200円の手当が付いた。「わさび栽培作業手当」というのは静岡県。県職員が伊豆市のわさび栽培現場に足を運ぶと、日当360円が支払われた。ある地方公務員が言う。

「ウチの県では、通称『メガネ手当』と呼ばれるものがありました。2年に1回、購入したメガネの半額を市が負担するのです。上限は2万5000円までで、領収書を福利厚生課に持っていけば、半分返ってくる。仕事で目を悪くしたから、その補償という意味だそうです」

 そんなことを言い出したら、何にでも手当がついてしまう。「特殊勤務」を拡大解釈することで、各自治体が、どんどん手当を増やしていったのである。

デタラメを支える労働組合

 もう一つ、地方公務員の高給を支えている制度に「わたり」というものがある。総務省の資料によれば、「わたりとは、給与決定に際し、級別職務分類表及び級別標準職務表に適合しない級へ格付けを行うこと」とある。

「公務員は全員、横並びで昇給します。職級による差を埋めるために考え出されたものです。例えば、同期が10人いて2人しか部長になれなくても、残りの8人にも部長並みの給料を払う。名称は各自治体で様々ですが、私が取材した時、『わたりがないと職員の間に不満が残り、職場の雰囲気が悪くなる』と人事担当者は説明していました」(前出・若林氏)

 この「わたり」の対象者は、川崎市ではズバリ「(出世)困難課長」と命名されていた('07年廃止)。公務員は、主事補、主事、主任、主査、係長、課長補佐、課長、次長、部長・・・・・・と出世していくが、出世しなくても同じ給料を貰えるのだからこんなおいしいことはない。

 ちなみに地方公務員に占める管理職の割合は38%。その比率についても民間に比べて高すぎると指摘されている。総務省は「わたり」を廃止するよう指導しているが、'10年の調査でも、青森、新潟、千葉、愛知、京都、大阪、熊本など、14の県と3指定都市で実態が残っている。

 地方公務員のデタラメ待遇はなぜ存続するのか。前出・北沢氏はこう言う。

「そもそも地方公務員は、自治労に見るように労働組合が圧倒的に強い。そして民主党の支援母体が自治労。民主党が日本の公務員の2割に過ぎない国家公務員の給与削減しか口にしないのもそのためです。民主党が地方公務員に大ナタを振るえるわけがないのです。地方公務員のやりたい放題を見逃してはダメです」

 言うまでもなく、公務員の給与の原資は税金だ。デタラメを許してはいけない。

「フライデー」2012年1月27日号より

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